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あらすじ
ピアニストを目指す遥、16歳。両親や祖父、帰国子女の従姉妹などに囲まれた幸福な彼女の人生は、ある日突然終わりを迎える。祖父と従姉妹とともに火事に巻き込まれ、ただ一人生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負ってしまったのだ。それでも彼女は逆境に負けずピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生する―。『このミステリーがすごい!』大賞第8回(2010年)大賞受賞作。

 

ひと言
読み終わってネットで調べてみるまで、中山 七里さんは女の人だとばかり思っていました。それも私と同じ1961年生まれのおじさんだったとは……。舞台も名古屋の栄の芸術劇場のコンサートホールが出てきたり、とても親近感を感じながら楽しく読ませてもらいました。それと曲についての表現がとても興味を引くような書き方で、その曲を聞いてみたくなりました。コンクール予選を前に岬先生が遙に言った「……君が心掛けなきゃならないのは、その音を誰に向かって飛ばすかだ。……一番後ろの席に座る人に向けて弾くんだ。……。君は、君のピアノを聴くために遠くから足を運んでそれでも最後列になってしまった人に自分の想いを伝えるため、ここに立つ-そういう風に思うんだ」