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あらすじ
野々宮希和子は、不倫関係にあった、秋山丈博と妻・恵津子の間に生まれた、生後半年の赤ん坊・恵理菜を、アパートから連れ去り、かつて丈博と話した名前「薫」と命名して、三年半の逃亡生活をおくる。丈博との間に出来た子供を堕胎したことがあり、「薫」を本当の自分の子供のように思い、慈しんで可愛がる希和子。友人・老女・宗教団体「エンジェルホーム」・友人の実家などを渡り歩いた末に、希和子は逮捕され、幼い恵理菜は両親と妹の元に帰る。月日は流れて、恵理菜は大学の合格とともに、両親や妹から離れて一人で暮らす。バイト先で知り合った妻帯者・岸田の子供を身ごもり、堕胎するつもりが…。

 

ひと言
タイトルにもなっている「蝉」を通して「生」に対する思いの変化 「ずうっと土の中にいたのに、生まれてそれっぽっちで死んじゃうなんてあんまりだって、子供の頃、思ったことがあるんだよね」「でもね、大人になってからこう思う様になった。ほかのどの蝉も7日で死んじゃうんだったら、べつにかなしくないかって。だってみんな同じだもん。なんでこんなに早く死ななきゃいけないんだって疑うこともないじゃない。でも7日で死ななかった蝉がいたとしたら、自分だけ生き残っちゃったら、その方が悲しいよね」「7日で死ぬよりも、八日目に生き残った蝉の方がかなしいって言ったよね……それは違うかもね、八日目の蝉は、他の蝉がが見られなかったものを見れるんだから、見たくないって思うかもしれないけれど、ぎゅっと目を閉じてなくちゃいけないほどにひどいものばかりでもないと思う……」がよく表されていた。小豆島に渡るフェリーの待合室。互いに気づかずに再開した希和子と薫。体のどこかが引き裂かれるような別れをし、どうかもう一度めぐり合わせてと切望し続けた誰かに私たちは気づかぬうちに会っているのかもしれない。と感想を書かれた方があったが、全くその通りだと思った。そしてこの再会は、八日目に生き残った2人に、神様が与えてくれたささやかなプレゼントなんだ。でもほとんどの人はそのプレゼントに気づかずに生きているんだと思った。NHKで 2010.3.30 - 2010.5.4(全6話)のドラマになったということだか、もしDVDになるような機会があれば、そのドラマも見てみたいと思った。