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あらすじ
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった! クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

 

ひと言
3月末に大阪万博から40周年を記念して太陽の塔の夜間点灯が復活したというニュースがあったのを思い出して借りました。もう30年も前の自分の大学時代を思い出し、ゴキブリの話やまなみ号の件に近いようなこともあったなぁと、自分の昔の思い出にニヤつきながら懐かしく楽しく読ませてもらいました。そして無性に太陽の塔を見に行きたくなりました。「三田村さん、また痩せたんじゃないか」……我々は二人で頭をつき合わせては、容赦なく膨らみ続ける自分たちの妄想に傷つき続けて幾星霜、すでに満身創痍であった。……かつて飾磨はこう言った。「我々の日常の90パーセントは、頭の中で起こっている」