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あらすじ
仙台で金田首相の凱旋パレードが行われている、ちょうどその時、青柳雅春は、旧友の森田森吾に、何年かぶりで呼び出されていた。昔話をしたいわけでもないようで、森田の様子はどこかおかしい。訝る青柳に、森田は「おまえは、陥れられている。今も、その最中だ」「金田はパレード中に暗殺される」「逃げろ!オズワルドにされるぞ」と、鬼気迫る調子で訴えた。と、遠くで爆音がし、折しも現れた警官は、青柳に向かって拳銃を構えた。精緻極まる伏線、忘れがたい会話、構築度の高い物語世界、伊坂幸太郎のエッセンスを濃密にちりばめた、現時点での集大成。
第21回山本周五郎賞、2008年本屋大賞受賞。

 

ひと言
半年ほど前に一度図書館で見たあとは,ずっと貸し出し中だった人気作品ですが,やっと借りられました。まず 第一部 事件のはじまり 事件から20年後 そして第四部の事件 第五部 事件の3ヶ月後という構成がおもしろいなと思い,読み始めました。第四部の最初ぐらいまでは途中で読むのを止めようかなと思ったぐらいだったのですが,その後はどんどん引き込まれて,随所に散りばめられた伏線に感心して,読み終わったあとは,さすがに本屋大賞だけのことはあるなと思いました。「わたしたちって,このまま一緒にいても絶対「よくできました」止まりな気がしちゃうよね」とか 公園で通りすがりの小学生が落とした画用紙「ねえ,おじさん,これ凄いでしょ」クレヨンで描かれた絵の脇に「たいへんよくできました」のスタンプが押されていた。「羨ましいなあ。僕は,「よくできました」止まりなんだよ」「花丸もらったことないの?」そしてラストの「左手を見下ろすと判子が押されていた……」。読み終わったあとアビーロードB面(レコード時代の人間なのでB面という言い方の方が好きです)の You Never Give Me Your Money から Her Majesty まで iPodで聞いて余韻に浸りました。