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あらすじ
舞台は1984年の東京。マーシャル・アーツの得意なスポーツインストラクター兼殺し屋の女性 青豆と、予備校で数学を教えながら、日曜日に年上の女性と不倫をし、小説家を目指す青年 天吾。「ふかえり」という少女の書いた小説「空気さなぎ」をリライトすることになった天吾。そのことをきっかけに、1984年の世界は1Q84の世界へと姿を変えていく。「海辺のカフカ」や「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」のように、ふたつの物語が章ごとに交互に語られるスタイルの作品。

 

ひと言
やっと図書館で借りることができました(ラッキー!でした)。私にとっては「海辺のカフカ」以来、ずいぶん久しぶりの村上春樹さんの作品です。感想としては、Book2の第6章で書評家の意見として村上春樹さんが書いているように「物語としてはとても面白くできているし、最後までぐいぐいと読者を牽引していくのだが、空気さなぎとは何か、リトル・ピープルとは何かということになると、我々は最後までミステリアスな疑問符のプールの中に取り残されたままになる。あるいはそれこそが著者の意図したことなのかもしれないが、……」だと思います。私は読み終わった後、冒頭の「これはヤナーチェックの「シンフォニエッタ」だと言い当てられる人が、世間にいったいどれくらいいるだろう。おそらく「とても少ない」と「ほとんどいない」の中間くらいではあるまいか。」がすぐに頭に浮かびました。でもメタファーの捉え方一つで作品がネバーエンディング・ストーリーのように無限に拡がっていくのが村上春樹さんのよさなのですから、それぞれの人がそれぞれの感じ方で村上春樹を楽しめればいいと思います。私も大変楽しませてもらいました。Book3が有るという噂なので それも楽しみにしています。