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あらすじ
捨て子の「白」を拾ったがために、大きく狂いはじめる主人公の人生。家族は村八分に遭い、主人公はクラスメイトから生々しく陰湿ないじめを受ける。村を出た主人公は港町に流れ、やがて大都会・東暁(とうぎょう)を目指すことに。生き抜くために悪事に手を染め、殺伐とした東暁で地べたを這いつくばって生きる主人公が唯一気にかけていたのは、村に置いてきた白のことだった―。『このミステリーがすごい!』大賞第8回(2010年)大賞受賞作。

 

ひと言
本の帯の「このミス」第8回大賞受賞作の文字が目にとまり、借りて読みました。感想は?と聞かれたら、うーん、何と言ったらいいのかとても困る、というのが正直な感想だ。プロの評論家が書いているように悪夢のような、暗黒たる、独創的な異世界のSF。冒頭から尋常でない。ものが違う。という言葉が当てはまる作品である。なんじゃこの作品は!オリガミ?クラゲリラ?訳がわからないが、第一部 山村 第二部 港町までは読者をぐいぐい引っ張る。ただその後は少し弱いというか、ハチャメチャと表現したほうが適切かもしれないし、ラストも弱い。力のある作家だと思うが、この作品だけでは判断できない作家であると思う。