この日ほど来て欲しくないと思った日はない


準備をして車に乗った。


旦那、母、叔母、いとこが付いてきてくれて

祖父母は足が悪いため家で待機することに。


祖母は当時の自分と照らし合わせて私を見ていたのか朝から泣いていた。


車内では棺の蓋を外して

外の空気や景色を楽しんでもらった。


これまでずーっと娘のお顔を見てきたけど

ポカンと開いたお口がなんだか笑っているように見えて可愛かった。


義理の両親とは現地で合流した。


受付を済ませた後斎場のスタッフの方に案内されホールへ移動した。


たくさんの可愛いお花が用意されていた。



娘の棺の中のアイスノンを外すため抱きあげて


おくるみの上から包んでいたバスタオルをとり

そのまま娘をぎゅっと抱きしめた


もう抱っこすることは叶わないんだと思うと

辛いという言葉だけでは表現しきれない気持ちが溢れた。


いとこが用意してくれた花束のお花と斎場で用意されたお花を娘の眠る棺に入れ、


赤ちゃん用のおせんべいやたまごボーロのおやつ


そしてお顔の近くに母乳を数滴付けてもらったガーゼ


折り紙や娘への想いを綴ったメッセージカードも入れた。



その後棺を火葬扉の前まで移動し

最後だとスタッフの方が声をかけてくれた。


ぼろっぼろ涙を流しながら棺ごと抱きしめた。


ひたすら娘の名前を呼び


何度も何度も生まれてきてくれてありがとう


よく頑張ったねと伝えた。



扉の向こうへと運ばれる光景


火葬場の音


娘を1人にさせて私と旦那は扉の手前でしか

見送れなかったこと


暗い空間へと進んでいく娘と火葬扉が閉まる瞬間


今でも昨日のことのように思い出す。



扉が閉まった後

ここから先は別室で待機するよう案内された。


移動中、いとこが声をあげて泣いた


私にとってもいとこにとっても

今回の火葬は初めてのことだった。



娘が産まれてくるのを楽しみにしてくれていたし、エコー写真の保管のためにアルバムを買ってくれたり私にも十分それが伝わっていたから。



それから1時間くらい経って

火葬が終わりましたと案内された。



扉が開くと娘は小さな骨になっていた


正直骨が残らないんじゃないかと思っていたけど

綺麗にたくさん残してくれた


これもそうですよとスタッフの人から教えてもらいながら骨壷に入れた。


娘が取り残されないよう最後まで夫婦で探した。



これ良かったらと棺には入りきらなかったお花を綺麗にまとめてもらい家に持ち帰り


娘のお骨と一緒に飾ってお線香とろうそくをあげた。


娘を包んでいたタオルは優しいにおいがして

また泣いた。


祖母はずっとわたしのそばにいてくれて


「こんなにしっかりした骨が残ったんやね。小さかったから残るか心配やったけど親孝行やったね。あんたも辛かったなぁ‥‥、でもこれ以上はもういなくなることはないで。」


娘の身体はなくなってしまったけど


骨は消えてなくなることはないか、確かに‥‥


連日の寝不足と泣きすぎで頭が痛くなり

母から少し休みなさいと言われ眠った。


目を覚ましてから旦那としばらく仏間で

これまでお互いよく頑張ったねと労っていたが


ふと気が抜けるとものすごい喪失感がブワァと押し寄せてくるのが分かった。