考えたくないけど考えてしまう

見送る時のこと。


消灯後天使ママのブログを見た。

可愛い小さな骨壷やお見送りの棺がデコレーションされててそこにすごく愛を感じた。


今見送る準備をするなんてこの子がまだ必死で頑張ってるのになんてひどい母親なんだと思いながらアイスノンと小さな小さな骨壷、可愛い棺と小さなお洋服、おくるみ、臍の緒ケース、手形のキットをネットで注文した。


裁縫が得意な母親に頼んで布おむつを作ってもらった。

母は出来上がった布おむつの小ささに泣いたらしい。

夫にはプレゼント用の可愛いぬいぐるみを買ってもらうよう頼んだ。


ああ、ごめんねこんなお母さんで


寝る前にこんな見送ること考えて申し訳なくなった。

助産師さんを呼び、お腹の子の心拍を聞かせてほしいと頼んだ。


今後いつ撮れるかわからないから

「心拍の音録音してもいいですか?」と聞くと

快くOKしてくれた。


「赤ちゃんここにいますね、しっかり心臓動いてますよ。」そういってもらって安心した。

お腹を撫でながら今日もありがとうと話して眠った。


これが心拍を聞いた最後だった。



翌朝、起きてすぐ胎動がなく助産師さんに心拍聞かせてほしいですとお願いした。

いつも的確に見つけてくれる助産師さんが何度当てても心拍は聞こえなかった。


(今日だったか‥‥)


すぐに当直の先生がきて超音波を当ててもらうと自分でも心拍が止まっているのが見てわかった。


心臓がこれでもかとギュッと締め付けられて苦しくなって声をあげて泣いた。

もうこれ以上人生において泣くことなんてあるんだろうか。

とてつもない喪失感で押し潰れそうだった。


「もしもし、、あのさ‥‥。頑張って、動かしてくれてたんだけどね、、心臓が、、止まっちゃって‥‥。」


泣き過ぎて声がうまく出せない中必死に旦那に連絡。

泣きながら来院した旦那と一緒に心拍が止まっていることを確認した。


旦那「実はさ、昨日不思議なことがあったんだよね。俺プレゼント用のぬいぐるみを注文した後に疲れてソファでうたた寝しててさ、ふと目を開けた瞬間に赤ちゃん用の布団がバサって倒れたんだ。普段絶対倒れないように置いてあるのにさ。今思えば俺のところに挨拶に来てくれたのかなって思って、、、。」


私「そうなんだ。私、昨日助産師さんに寝る前に心拍聞かせてほしいってはじめて頼んだんだ。しかも録音もしててさ。これ、、」


録音アプリの再生ボタンを押すと娘の心音が流れて2人で噛み締めながら聞いた。


その日は金曜日で一旦退院し、月曜日に出産のため再入院することになった。


実母と叔母に連絡し、義母には旦那から報告してもらった。

退院後に、義父母が仕事を休んだから一目私の顔を見たいということで、近くの駐車場で待ち合わせることになった。


義母「こんなことになるなんてね‥‥。そんなとこ悪いけど私も午後から予定があって。」


私「すみません、忙しい中来てくださって。」


義母「うんいいのいいの。今日美容院の日で。」と会って早々に解散した。


元々、義母はつわり中も頻繁に連絡してきていた人だった。

でもお腹の子の病気が分かってから連絡がパッタリ途絶えていた。

1人目のこともあったし、私にかける言葉が見つからないんだろうなと思っていた。


「お腹の子の事を聞いてから眠れない日々が続いた」と義母から聞かされたけど、孫の心拍止まった日に美容院行くんだとドン引きした。


確かにまだ姿を見ることはできないし、今日何かできるかと言われたら何もできない。


でも私はずっとこの子の頑張りを見てきて、1日1日を懸命に生きていたのを知っているぶん、そんな言葉を聞かせてしまって娘に申し訳なさを感じた。


実母は仕事を早退して心配して会いにきてくれた。

「この大きさでサイズが合うか分からないけど可愛いでしょ☺️」

ピンクの可愛い布で作られたおむつを渡してくれた。


土日の間に、ネットで頼んでいた骨壷やお洋服が届いた。


お洋服は丁寧に手洗いしてお日様に当てた。

母と叔母が可愛いワッペンを買ってきてくれて

私がそこに名前を書いて

旦那はアイロンでつけてくれたけどうまく貼り付けれなくて、一針一針手縫いしてくれた🪡


また会える日を願ってみんなでメッセージカードを書いた。

この時は寂しいとか悲しいとかの気持ちよりも、この子がこれまで頑張った分今度は私が頑張らないとという気持ちの方が強かった。


少しでも母親らしいことをしてあげたかった。


娘は私が心の準備をするまでずっとお腹の中で懸命に頑張ってくれていた。


私が見送る準備をしたのをちゃんと見届けて、夜はちゃんと眠れるように心拍を聞かせてくれて私を最後まで安心させてくれた。


私にできることはきちんと産んであげることだった。