個室でほぼ部屋の中で完結できてしまうから、シャワーや検査の時以外は誰にも会わないからいい。


母乳あげるためにベビーベッド押して歩く人や面会に来て抱っこしてる家族、エコーの順番待ちしてる間、他の人は見ないようにしてた。



検査の結果は日を追うごとに悪くなっていった。



でも私が辛いと思ってはダメだ。


この子に辛いと感じさせないようにちょっとでもお腹の中で居心地良くいてもらうために。


どんな辛い結果が伝えられても、病室に戻ってからはなるべく伝わらないように(当然うまくは笑えないけど)「お腹を撫でて今日もがんばってくれてありがとうね。大好きだよ。」と伝えてたくさん褒めた。


母子手帳にもたくさん成長記録を書いてこの日々を忘れないようにした。


羊水検査から1週間後、18トリソミー確定と結果が報告された。


そして、病状説明や今後の方針など何度も何度も話し合いの場を設けてもらった。



新生児科、産科それぞれの医師も立ち会ってもらって最期は看取りというかたちで決定した。


この子が頑張ってるのはもうじゅうぶん伝わってくるしこれ以上治療法がない中無理をさせたくなかった。


旦那が面会に来た時は毎回涙腺が崩壊した。


お腹の子が心配すると分かっていても、涙を止めることができなかった。

旦那も仕事中、私とこどものことが心配で堪らなかったといっていた。

面会時はたくさんお腹を撫でて話しかけてくれた。


ICの時は特例で面会時間に制限はなかったため、家族の時間を過ごすことができた。


入院期間は約1ヶ月を迎えようとしていた。



看取りの方針を固めたため2日後に退院の目処がたち、1日でもお腹にいる時間を大切にすることが私たちにできることだった。


入院中、ちょこちょこ助産師さんや回診で先生がくるからなかなか泣けない。


お腹にいる子のことを考えるとひたすら泣かないようにすることだけを考えてたけど、段々私も極限状態になってきて毎日生きるのがしんどくなってきてしまった。



消灯後は暗くなってスタッフの訪室頻度が減ると、泣こうと意識してなくてもダラダラと涙がつたっていく。


夜中に何度も目が覚めて胎動を確認して眠るのを繰り返していた。



眠れない夜はベッドサイドに座って

病室の窓から見える景色をぼんやり眺めながら


世の中にはいろんな事情を抱えた人がいるなぁ


悩みの種類は違えどみんな何かしらの葛藤を抱いて暮らしているんだ


この大きな病院に入院してる人達も心穏やかに過ごしてる人なんてほんのわずかで


普段何気なく過ぎていく日が

誰かにとってはすごく幸せを感じた日になれば


涙を流して辛さと向き合わなければならない日になることもある


私は自分の意思で歩いてトイレにも行ける

ご飯を食べることもできるし

呼吸もちゃんとできて身体の痛みもなく過ごすことができている


これってすごく幸せなことなんだな

当たり前なことなんてない

当たり前にできることは幸せなことだと噛み締めていた。


でもこうやって自分を律することで精一杯で


母や叔母、夫からのLINEを返すのも神経がすり減っていた。


今日か明日か、だんだんタイムリミットが迫ってくる感じがひしひし伝わってくる。



破水が先か娘の心臓が止まるのが先か


自分には何もしてあげられないのが本当に心苦しい。


あんなに元気だった胎動もすっかり動かなくなってきてしまった。


それでも心拍を頑張って動かしてくれて愛おしくてたまらない。



同時に失う怖さを考えると気が狂いそうになる。


入院してからずっとNSTの間は、YouTubeで胎教を聴かせてあげるのが日課だった。


穏やかで優しいオルゴールの音を聴きながら

2人の時間を過ごす。


時折苦しいのか突然徐脈になるのをみると心臓がギュッと掴まれる気持ちになった。