手術当日、この日は朝から病院に向かうために早く起きた。

起きて準備をしてまずは神社に向かった。
そこで妻の手術が上手くいくように拝んだ。拝んでいる最中に涙が溢れそうになったが、1番辛いのは妻なのだと言い聞かせて何とか耐えることができた。

病院に着くと、そこでも気丈に振る舞う妻の姿があった。

手術が行われるのは午後からのため、午前中は妻との2人きりの時間を過ごした。
手術が早く無事に終わって欲しい気持ちと、手術の時間が来て欲しくない気持ちが錯綜していた。このときは時間が経つのがとてつもなく長く感じた。

午後になり看護師さんが迎えに来てくれた。

「いよいよだ、、」

僕の心配をよそに妻はここでも冷静にいるように見えた。

手術の為の準備を終え、妻と僕と看護師さんの3人で手術室に向かった。

手術が行われるのは新しく建った棟だった。

歩いて向かう途中に目に入る光景はピカピカの壁、床、新築の建物の匂い。普段であれば心地よく感じると思うが、このときばかりはこの新しさが逆に冷たく感じたのを覚えている。大袈裟に言うと処刑台に向かう死刑囚のような感じが少しした。大袈裟だけど僕にはそう感じた。

手術の部屋の前で妻と別れた。
扉が閉まる前に妻が振り返って手を振った。
このときのことは多分ずっと覚えている。

→続く