「涙の温度」

   
  「死にたい」気持ちが
  「生きたい」気持ちに
  変わった瞬間
  流れる涙はあたたかかった

  あなたのからだはあたたかい
  あなたのこころがあたたかいから

  冷えきったわたしのこころを
  あたためて
  涙の温度を変えてくれて
  ありがとう

  生きるなら
  生きていいのなら
  あなたと
  あなたと一緒に
  生きさせて

  お願い

  この涙ごと

  わたしをさらって下さい
  

 


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      「美しいもの」


   あの頃 僕達は

   美しいものに 鳥肌をたてていた


   校庭から 遠く遠く見渡せる

   禍々しくも青い海は

   まさしくそれで

   鉛筆の刺さった心には

   憎悪のたたずむ 風景だった


   美しいという事は

   真実よりも装いつくした

   偽造であると いう事だった

   美術室にある絵の様に


   けれど今

   僕に抱かれ 君に抱かれて

   僕達は生まれて初めて

   美しい世界に溺れてゆく

   例え あの頃の海だとしても

   二人はもう

   逃れられない

   僕達は

   逃れはしない


             (15~17)




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   「びーどろ」


   かの地の びーどろのように

   はりん と

   はかない音をたてて

   ココロが 割れたりする


   光に透かして 美しく見えるように

   ところどころ

   色をぬって

   身を守ったりする


   
   びーどろは

   意外と強くて

   しっかりと 息を吹き込んでも

   めったに 割れたりしない


   そのくせ

   思いも寄らない 小さな力で

   数々の破片を

   飛び散らかしたりする


   熱い炎の中から 生まれたくせに

   あたたかいぬくもりで

   溶けてしまったりする


   誰のせいでもない

   自分で入った びーどろの中から

   出ようとすると

   この手が

   血を流すだけなのだ

   
   慣れているでしょう?

   慣れているでしょう?

   壊れてゆくのも

   手のひらからすりぬけて

   落ちてゆくのも   

   
   それが

   びーどろの

   運命だもの


   
        

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「June Requiem」



6月の雨を 潔く この身に受けよう

もっと素直に他人を愛せと

もっと強く生きてゆけと・・・

貴女の願いと愛をひとつ残らず

指先にまで浸透させよう

貴女が私の中で息づく様に

私もまたこの世に生きて

確かなるその証を残してゆきたい


優-貴女への呼び名を支えに


優-遥かな世界へ祈りをこめて




                  (17)