高分子電解質膜の開発に成功 家庭用燃料電池本格普及へ /群馬 | H4O水素水のブログ

高分子電解質膜の開発に成功 家庭用燃料電池本格普及へ /群馬

 導電性に優れ、4万時間以上の耐久性 産業界と連携、実用化目指す


 独立行政法人日本原子力開発機構はこのほど、家庭用燃料電池の本格普及に向けて要求される導電性と耐久性を持った高分子電解質膜の開発に成功した、と発表した。


 家庭用燃料電池は、都市ガスやプロパンガスなどから水素を発生させて発電、同時に排熱で温水を作るシステムを想定し、15年ごろから本格普及が始まるといわれている。


 電気を起こすための電極の間に高分子電解質膜を使用、小型軽量化に向けた研究が進められている。高分子膜は導電性に優れているが、家庭用などで求められる高温・低湿度の条件下では、壊れやすいという問題点が指摘されている。


 同機構高崎量子応用研究所(高崎市綿貫町)で研究をする高導電性高分子膜材料研究グループ(前川康成リーダー)は、耐熱性と膜強度に優れた芳香族高分子電解質膜を加熱し、放射線による変化を受けやすい状態にしたうえで、放射線を照射し、導電性を高めることに成功した。


 同グループで検証した結果、現在の燃料電池の高分子電解質膜に比べて1・5倍の導電性、2・3倍の膜強度があることがわかった。家庭用燃料電池に求められる80度4万時間以上の運転に耐えられるという。


 同グループの浅野雅春主任研究員は「製作プロセスが簡単なうえ、低湿度でも使用できるので加湿システムも簡素化でき、大幅なコスト削減ができる。今後は産業界と連携して、性能向上と量産化技術の確立を進め、実用化を目指したい」と話している。


出典:毎日新聞