チタン銅の導電率向上 携帯の省エネ化に期待 | H4O水素水のブログ

チタン銅の導電率向上 携帯の省エネ化に期待

 東北大大学院工学研究科の岡田益男教授(エネルギー材料情報学)のグループは、金属素材メーカーの日鉱金属(東京)と共同で、チタン銅合金に水素処理を施すと導電率が75%向上し、強度も22%増すことを発見した。


 チタン銅合金は、携帯電話の本体とバッテリーの接続部などに使われている。導電率と強度の両方をアップさせることで、部品の小型化や金属資源の保護、省エネのメリットがあるという。


 グループはこれまで、合金に水素をいったん吸収させ、その後取り除くと強度が増す傾向があることを突き止めていた。今回は350度、約75気圧の水素で、銅に3%のチタンを含む合金を処理した。


 水素吸収後の合金を電子顕微鏡で観察すると、処理前と比べチタンが微細な粒子になっていた。水素がチタン結晶を細かく変化させた上、合金中に点在させる機能を果たしたとみられる。


 水素処理で導電率が向上した合金はチタン銅が初めて。岡田教授は「チタンが微細化して合金中に散らばったため、銅だけの部分が多くなって電気が通りやすくなったのだろう。電気抵抗が減るのでエネルギーの無駄もなくせる」と話している。


 研究成果は、23日から熊本市で開かれる日本金属学会で報告される。


出典:河北新報