昔は霞みか雲かであった黄砂、今は! | H4O水素水のブログ

昔は霞みか雲かであった黄砂、今は!

黄砂の中に混じる硫黄酸化物の恐怖


 春になると、硫黄酸化物を撒き散らす黄砂が日本を襲う。大昔は霞か雲かでよかったが、現在の経済成長著しい中国では、(昔の日本もそうであったように)利益優先主義から、環境問題は後手後手となっている。


 酸性雨は過去、共産圏であった東欧から、風に乗り欧州全域を覆った。とくに、東欧に隣接するドイツのシュヴァルツヴァルトの被害が有名で、現在でもその森林被害は回復していない。日本でも過去、光化学スモッグなどが多発して、硫黄酸化物等の有害物質の排出規制が強化され、車両や重化学工業がもたらす排煙の硫黄酸化物等を脱硫装置により取り除いてきた。


 しかし、ここ何年かで、鉄鋼生産などを限りなく増加させた中国から、春になると偏西風に乗り黄砂が福岡にも大量に降り注ぐ。特に3月3日はひどかった。前日夜は雷雨だったことから、3日は空気が綺麗になるはずだった。しかし、偏西風に乗り黄砂が襲来し続け、車が真っ白に汚れる始末であった。黄砂の中に硫黄酸化物などの化学物質が入っているとしたら、本当に恐怖である。福岡では昨年10数年ぶりに光化学スモッグ注意報が発令されたほどであり、今年も発令されるものと思われる。


 花粉症の季節になり、その症状を持つ人が既に沢山いる。しかし、スギ花粉はまだ殆どなく、梅の花が満開なくらいである。原因ははっきりしないが、黄砂の影響と考えると納得できる。その黄砂に微量でも硫黄酸化物が入っていれば、人体の粘膜をより刺激することになる。


 ※硫黄酸化物等は化石燃料を燃焼させるとき発生。鉄鋼生産には燃料として石炭を用い、石油コンビナートも原油から精製するとき硫黄酸化物等が発生する。国内では、脱硫装置等を設置して、煙から硫黄酸化物を取り除いている。酸性雨は、硫黄酸化物・窒素酸化物・塩化水素などを言い、化石燃料を燃焼させるときに空気中の酸素や水素と反応して、硫酸・硝酸・塩酸などの強酸を生じ、地面に降り注ぎ、森林などに被害をもたらしている。当然、空気中に存在することから、人間にも降り注いでいる。さらに、日本の農地にも降り注いでいる。



ODA資金を脱硫装置に


 小泉政権下で、中国にはODA資金は必要ないとか、欲しいとかのやり取りが国交間であった。ここ10年間で、1億5千万トンから4.5億トンまで拡大させた中国の鉄鋼生産には、大量の石炭が使用されている。アメリカや日本はここ10年、1億トンの鉄鋼生産量で推移しているが、中国は10年前の1億トンから現在では4.5億トンと急カーブで上昇し続けている。経済の急成長に対応して、旧設備を再稼動させての生産増や新規設備も含め、それらの設備に日本基準の脱硫装置が取り付けられているか、まったく不明である(資料があったら教えて欲しい)。


 中国そのものも健康問題が既に生じており、光化学スモッグも発生している。こうした問題を解決するためにも、脱硫装置用としてODA資金を限定して提供すべきであろう。拝金主義が横行している中国に対して、脱硫装置問題などで注文付けようなら、内政干渉と叩かれるのがオチであるが、両国民の健康には有効に機能するはずである。日本のODA資金を、中国の鉄鋼生産施設(コークス生産施設含)・石油精製施設等に提供すべきである。


出典:データ・マックス