燃料電池車、今後の研究開発の焦点はコスト低減と耐久信頼性 | H4O水素水のブログ

燃料電池車、今後の研究開発の焦点はコスト低減と耐久信頼性

燃料電池(FC)車の商品化に向けて,今後の議論の焦点となるのは「コストの低減」と「耐久信頼性の向上」。本田技術研究所四輪開発センター第一技術開発室第2ブロックシニアマネージャーの新村光一氏は,「第4回国際水素・燃料電池展」の専門技術セミナー「燃料電池自動車実用化の最前線」の中でこう指摘した。


同セミナーでは,新村氏のほか,トヨタ自動車FC開発本部FC技術部部長の河合大洋氏と日産自動車技術開発本部FCV開発部部長の萩原太郎氏も講演を行った。いずれも新村氏と同様にコストと耐久信頼性を今後の課題と位置づけた。従来課題とされていた「1回の燃料充てんでの航続走行距離の延長」「低温での始動」「車両出力密度の向上」については徐々に解決に近づいてきており,もはやFC車の商品化に向けての大きな障壁とはいえないようだ。


実際,航続走行距離では,トヨタの改良型FCHVが実用モード(同社の社内モード)で500km超を達成。ホンダも2008年のリース販売開始を予定している新型FC車「FCVクラリティ」で,米国における燃費測定モードであるLA4モードで約560km(ホンダの公表値から算出)を実現している。低温での始動という点でも,-25℃とか-30℃に対応できるものが続々と開発されてきている。質量当たりの車両出力密度については,ガソリンエンジン車の下位グループに追いつきつつあるという段階で,「FCシステムの出力向上と軽量化はまだ必要」(ホンダの新村氏)とされるものの,とりあえず第一の目標はクリアしたといった状況のようだ。


出典:nikkei BPnet