由布岳坊がつる | 山と花と旅 Japan Alpine Flowersのブログ

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1日め 由布岳

平成17年2205年5月18日
(2024年の今から19年前。62歳の時)

坊がつる讃歌で知られる阿蘇くじゅう国立公園に行った。4時30分自宅出発。5時15分、常磐線天王台駅前にマイカーを置く。駅前の某駐車場の方は、5時少し前からやっているとのことだった。羽田空港7時15分。明るく活気があり、はなやいでいる。朝食をとった。集合は7時45分。2人連れ6組。1人参加8人。男14人。女6人。平均年齢62歳。ツァーコンダクターは若い独身女性。飛行機は8時45分に離陸した。富士山頂噴火口のへこみがよく見えた。雪はかなり融けていた。近畿地方は雨。機体が少し揺れる。大分空港着10時10分。低気圧はほぼ通り過ぎて、雨は小雨になっていた。空港道路。日出バイパス。大分自動車道と山々の中を走行する。昼食はバスの中。別府湾が見える。湯煙が見える。


12時前、標高770メートル。由布岳正面登山口に到着した。待っていた登山案内人の方とストレッチなどをする。標高差815メートル。歩程約7キロメートル。約4時間30分の登下山である。雨はほぼ止んでいた。登山道は牧草地からそで群落地帯に入る。ノアザミ。ヨモギ。オオバコ。ネザサ。ススキ。イタドリなどが目に入る。マント群落に入る。ニワトコ。クサギ。クズ。マルバハギ。ツクバネウツギ。ヤブウツギ。ヒメウツギ。ノリウツギ。アセビなどが見られる。案内人の足取りは速い。標高1010メートルの合野越で小休止した。体が冷えないうちに登山再開。樹林帯に入るとミヤマキリシマが咲いていた。

アセビ。ミズナラ。ヤマウルシ。クヌギ。コナラ。ヤシャブシ。コシアブラなどが見られた。あしもとに黄色い可憐な花がいっぱい咲いていた。ミヤマキンポウゲだろうか。ミヤマダイコンソウだろうか。深いガスの草かげに小さなアヤメが咲いていた。宿の図鑑で確かめたらエヒメアヤメだった。合野越から約1時間登る。マタエ1480メートルに到着。風が強い。雲の中、視界も悪い。西峰1583メートルには、岩場やクサリ場があり、ツァー登山客には危険とのことで回避した。
強風と霧の中、マタエから15分。由布岳東峰1584メートルの頂上に登った。深い霧の岩場からイワカガミやキスミレの花が浮かびあがる。この双耳峰は湯布院の人々から豊後富士と愛されている。4時10分に下山した。バスで約1時間。大分県玖珠郡九重町牧の戸温泉に到着。キスミレもエヒメアヤメも今回初めて目にした。満たされた気持ちで天涯の湯につかり、ふくらはぎをもんだ。

2日め。坊がつる。大船山。北大船山。
昨夜1行は、かったつによく飲んだ。ホテルでは同室が4人だった。2名は府中市からの参加。60歳台前半の方は日本アルプスなどを健脚で登山中。74歳の方は世界中を旅している。植物の名前にも詳しい。6月にはシルクロードに行くとのこと。8時に消灯。熟睡できた。明け方、温泉に入って足の筋肉をほぐした。茜色の空に湯煙があがっている。朝食は6時30分。7時30分に宿をバスで出発。8時。長者が原のビジターセンターに着く。2日めは歩程約9キロメートル。標高差756メートル。約6時間のコースである。長者が原から雨が池を越え、坊がつるまでは、2時間余。ちょうじゃばるは標高1030メートル。晴れ。アセビ。ミズナラ。ブナ。コブシ。ヤマザクラ。ムシカリ。オオヤマレンゲ。むせかえるような新緑の樹林帯を歩く。なだらかな登山道でここちいい。ユキザサの白い花。ホウチャクソウの白い花。白水川の清流。岩床の苔が緑に光っている。野鳥のさえづりが絶え間ない。野鳥のオーケストラである。9時30分。雨が池に到着。開けた明るい平地である。大雨が続くと池になる。イワカガミの赤い花。ハルリンドウの紫の花。小高い山々の山頂付近がミヤマキリシマの花でピンクに染まりかかっている。坊がつるは名山に抱かれた広々とした湿原である。水は無かった。


天然記念物のミヤマキリシマ。溶岩に深く根を張り、つぼみをいっぱいつけている。満開に近いミヤマキリシマもある。10時20分。坊がつるキャンプ場に到着。テントが3張、設営してあった。若い山旅人たちである。水がおいしい。顔を洗った。気持ちがいい。避難小屋がある。トイレもあった。大きな船のように、大船山が雄々しく聳えている。標高差約500メートルをこれから直登する。登りごたえがある。イワカガミが咲いている。


ギンリョウソウもあった。スミレだろうか。変わった丸い形の葉。小さな白い花が咲いていた。すべすべしたナツツバキの幹に似たリョウブの木も目立つ。特に多いのはミヤマキリシマの古木とアセビの古木である。12時。段原1680メートルまで登頂。だんばるは大船山と北大船山の中間点。ここにリュックを置いて大船山1780メートルに登山した。

快晴。あたりの名山がよく見える。昨日登山した由布岳が美しい。遠く阿蘇の山々も見える。硫黄山の噴煙が見える。彼方に阿蘇中岳の噴煙も見えた。坊がつるの奥に法華院温泉山荘も見えた。北大船千七百六メートルはミヤマキリシマの花に埋め尽くされていた。法華院温泉山荘。大分県直入郡久住町大字有氏。法華院温泉山荘は、標高1303メートル地点。坊がつるの最奥にある山の湯の宿である。柱や天井のはりには太くて丸いままの木材が使われている。木の香がただよう。2階の120畳敷。大広間に寝た。男も女も同じ大広間である。温泉はかけながし。石鹸や洗髪剤は使えない。朝食も昼食も弁当。4時前にそっと起床する。温泉に入った。たった1人の法華院温泉。至福のひとときであった。足の筋肉は張っていない。明けゆく坊がつる。法華院温泉の空が暁に染まってきた。