【出発前の情報収集】

四国へ行くときは
・名古屋駅から夜行バス
・電車で神戸三宮駅か舞子駅へ行って、そこから高速バス
・新幹線で岡山へ行って、そこから在来線
の3択なんですが、職場の同僚(香川県からの出向者)から
「夜行バスは身体がバキバキになるから、寝台特急の方がいいですよ」
と助言を頂きまして(*'▽'*)


寝台特急ってどんどん廃止になってなかったっけ…?と思いつつ調べたら、ありました!(◎_◎;)
でも、行事に合わせて行こうとすると10時打ち前提の電車じゃないですか〜!(T ^ T)

※10時打ち
予約開始時間(乗車1ヶ月前の朝10時)に、みどりの窓口で購入すること。


しかも、名古屋は停車しないから、最低でも大阪まで行かないといけないし…。
これだと夜行バス(オリーブ松山)か、新幹線で岡山まで行って電車で高松へ行く方がローリスク&労力的に無難な気が…( ̄▽ ̄;)

悩んだ結果、やっぱり無難に、夜行バスを選択。



善通寺は四国八十八ヶ所の札所なので
コロナ禍を経て、四国お遍路がどうなったかなぁ〜
と思い、四国八十八ヶ所霊場会の公式サイトを観てたらびっくりするニュースが…

結構あがってるなぁ(^◇^;)



納経が+200円だから、全体で17,600円の増額


納経時間が1時間短くなるから、1日にまわれるお寺も減少

つまり、全体の日程が増加=宿泊費&食費が増額

ということで(・・;)


お遍路さん向けの宿の朝食時間とか、細かいところに色々変更がありそうですね…





許可灌頂は午後からだから、お昼どうするかなぁ…

と思って検索してたら発見!



でも、よく考えたら

讃岐うどんって、海藻系の出汁じゃなくて、魚系の出汁なのでは…

って事で、初日のランチかなぁ。


※入壇の注意事項に

許可灌頂の当日の朝から灌頂の終了時まで

肉・魚介類・卵・ニンニク・ネギ等

は口にしないでください(乳製品は可です)

と明記あり。




今回は出発準備などがかなりのんびりと、ゆとりを持って進められました(°▽°)


理由は〜



ピロリ菌の除菌前の胃カメラ検査を夜行バスの出発日に設定して、有給休暇を取得したためです(笑)


胃カメラ検査の結果は、異常なし。

ピロリ菌がちょっとおるなぁ〜

くらいだそうです( ̄▽ ̄)


ちなみに胃カメラの前に、注射があったのですが…

副作用(1〜2時間程度の視力低下)の説明がなくて、検査後に「なんじゃこれ???」ってなって。

検査後の診察で、医師にちょっとクレーム入れました( ̄▽ ̄)


コレ、車で来てる人だと2時間くらい帰れないんじゃない???感…。




出発前日が休みになった事で、夜行バスでの移動に備えて仮眠できるのは助かりますねぇ。

注射の影響で視力低下してて文字が読めないから、する事なくて寝るしかないし( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \



【1日目】



毎度お馴染みのGPSロガーアプリ。


夜行バスでの移動距離は約390km

ここから善通寺までなので、400km超ですね(゚∀゚)




高松駅の中で朝食用におにぎりでも〜とウロウロしていたら、なんか発見。



Σ( ̄。 ̄ノ)ノ


香川県では、犬や猫もうどんを食べるのかぁ:(;゙゚'ω゚'):

さすが、2011年12月6日に日本郵政へ『うどん県と書いたら香川県に届くようにして!』と要望を出した県ですね(・・;)




高松駅に着いてから、ずーっと

「強風のためマリンライナーは16時過ぎまで運休」

って構内放送が流れ続けておりまして…。


確かに風が強い…。


善通寺駅までの移動中、ずっと運行情報や天候関係の情報をチェックしていましたが、特急は運行してるらしいですが、翌日の帰りの手段が不安…。

車は通れるっぽいので、急遽、高速バスのダイヤを確認へ。


※善通寺から800mくらいのところにある高速バスのバス停



残念ながら、観音寺エクスプレスには乗れないっぽい…(・・;)

※許可灌頂は17時までの予定。



天気予報を確認すると、17日は気圧が比較的安定してる…っぽい???


最悪の場合を考えると、善通寺駅→徳島駅で、徳島駅から高速バスで神戸三宮駅…かな?

と思って調べたけど、時間的に名古屋駅には間に合わない模様。

米原駅あたりで終電になりそうです…(・_・;


17日の天候状況次第で、許可灌頂をキャンセルして帰るしかないかも…?

17日の昼時点で判断するしかないか…。




宿坊のチェックイン時間前なので、宿泊の荷物をフロントに預けて、境内を散策&授与品を観て廻ることにしました。



遍照杖はまだ申し込めるようです。




送料が3,000円と高額なのは、杖の長さの都合かなぁ

長細い物の送料って意外と高いので(T ^ T)

※高さ30cm×幅30cm×奥行き30cm=1才が物流関係の基本規格


御影堂や宿坊に実物のサンプルがあって触れるのですが、見た目や触った感じから、カシュー(人工漆)塗りかな?と。

塗装品なので、歩き遍路など雨天でも使用する前提には合うかも。

杖先に保護用のゴム材ついてますし。



寺院名や氏名については、申込書に『貼付』とあり、展示品も寺院名などはシールだったので箔押し,彫刻,焼印などではない様です。


更に、通し番号のある授与証付き、とのこと。



総本山善通寺法主猊下の名前と法人印(角印)が押されてる…

つまり、表彰状や辞令と同じで、善通寺が法人として正式に発行してるものですね( ̄▽ ̄)



境内で授与品を観ていたら

九条袈裟(摺袈裟)と九重守が授与品にありまして…

善通寺に以前からあったっけ…?

という感が( ̄▽ ̄;)


冥加金は

・摺袈裟 1,000円

・九重守 8,000円

となってました。


摺袈裟は御影堂前の授与所と御影堂の祈願受付に

九重守は御影堂の祈願受付に(※納経所や授与所ではないので注意)

それぞれありました。


金堂前にある授与所には、どちらも見当たらなかった謎…。

逆に金堂前の授与所は香合佛がたくさんあるので、禮拝対象をメインに授与している感じ…?


なんか、御影堂前の授与所に1250年記念品で『弘法大師様御請来型数珠』の複製がありましたが…

約6万円という、すんごい金額でした((((;゚Д゚)))))))



授与品をチェックした後は〜



善通寺の門前商店街にある足湯に浸かって〜



YouTubeでオススメされてた うどん屋さんに行って〜



という感じで過ごしてました。


うどん屋さんへ行く途中で知ったのですが…

四国八十八ヶ所霊場会の本部って、善通寺の駐車場にある建物(料金所の隣)にあるんですね∑(゚Д゚)

知らなかったです…。




周辺を散策していたら、時間になったので会場へ〜。



案内状には、どのお堂が会場とは書いてませんでしたが


三十六不動霊場の結縁灌頂のときに、ここだったから


という理由で、まぁ、ここだろうなぁ…と予想して来ました(笑)




チャト・リンポチェ猊下の入堂にあたり

全員、起立!五体投地三禮!着席!

という、学校の授業ばりの一斉行動(号令なしで、みんな自主的に)


仏教といえば五体投地ですよね〜

というの『常識』を再認識しました(`・ω・´)




なお、法話の内容については

『自己の学習のためのみ記録可』

という要件のため、公開不可となっております(`・ω・´)



申し込み用紙で

「許可灌頂を希望せず、説法会のみの方は2,000円」

と記載がありましたが

「この説法で2,000円は安い!」

と感じるものでした(*'▽'*)



通訳は予想通り、逐次通訳。

逐次通訳だと書き取りやすいです♪( ´▽`)




法話が終わったら、宿坊へ〜。



私1人なのに、10畳もあるめっちゃ広い部屋でした:(;゙゚'ω゚'):

これで2食付きで、温泉もあって、客室フロア全館空調で、8,000円ってめっちゃ安い…(・・;)



襖を開けると、隣の部屋と繋がっていたので構造としては

『ドアが2つある20畳の大部屋』

っぽいです。



襖に切り欠きが付いてるので、かんぬき的な棒とか板を使用して、動かない様に固定する事で2部屋にする、みたいな運用方法かな…?




天井には樹皮の付いたオシャレな梁!(*'▽'*)



建物の造り(鉄筋コンクリート)的に必要性はないと思うので、飾りなんでしょうけど…

なんか、こういう装飾って良いですよねぇ(*'▽'*)


自宅にあると『段差に埃が溜まる!!!』って考えちゃうので、絶対要りませんけれども_(:3 」∠)_



【2日目】


6時から朝勤行〜


チャト・リンポチェ猊下御臨席で、善通寺派管長の菅猊下が御導師

という、なんかもう、すっごい豪華な朝勤行:(;゙゚'ω゚'):



菅猊下から御法話がありましたが、その中でも気になったのは

西国三十三所と四国八十八ヶ所の比較

というポイント。



[四国八十八ヶ所]

80代も多く、90代もおられる。

100巡超も少なくなく、多い方だと200巡を超える。


[西国三十三所]

70代くらいまでが多く、80代以上は少ない。

複数回巡る方が少ない。


最大の違いは

西国三十三所は『札所が聖地』であるのに対し、四国八十八ヶ所は『巡礼路自体が聖地』である

とのこと。



確かに西国三十三所の巡礼路に聖地感はないなぁ(・・;)

1番の青岸渡寺〜2番の紀三井寺の巡礼路(熊野古道)くらい…?

西国三十三所は観光地になってるところが多いので、四国八十八ヶ所より参拝者総数とか若い世代の参拝者数は多い気はしますが、リピーターという意味では…。




朝勤行後は朝食を食べて、荷物を整理しまして。


許可灌頂は午後からなのでチェックアウトして、荷物を宿坊のフロントに預け、近所にある善通寺市立図書館へ〜



図書館に入ってすぐの目立つ棚に、弘法大師関係、お遍路関係の資料がドーン!とあって。

さすが地元!すごい蔵書量…!(◎_◎;)


『空海』ってラベルの棚が単独で存在してるし、普通なら閉架にありそうなハードカバー&紙ケース入りの学術書も置かれていて、すごいです(*'▽'*)

※全部『貸出禁止』のラベル付き


ちなみに『郷土の偉人』ってカテゴリで、弘法大師関連の書籍がズラっと並んでました。

弘法大師様を『郷土の偉人』といえる善通寺市すごい*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*



本棚で特に気になった本は、下記の2冊


四国へんろの歴史 四国辺路から四国遍路へ

武田和昭(著)

美巧社


南北朝〜室町時代に高野山で念仏信仰が行われていたこと

六十六部廻国行者,一遍上人(時宗の開祖),熊野信仰の山伏などが四国遍路の深く関わっていること

四国に入るための切手(ビザ)や手形(パスポート)の発給など社会構造

といった四国遍路が形成される過程の全体像について、いろんな資料を提示しながら解説されていて、お遍路の歴史を学ぶならオススメ!な感じ。

時代的には南北朝〜明治までの範囲。




四国遍路の民衆史

山本和加子(著)

新人物往来社


先に挙げた書籍が政治や宗教などの客観的な視点(支配者側)であるのに対し、こちらは現場に近い視点(被支配者側)を中心に書かれたもの。

・西暦1800年前後頃から、今でいう職業遍路的な人達が増えて、四国の各藩が取締に乗り出したこと

・土佐藩(高知県)は1600年代半ばからずーっとお遍路の取締りをしていて、廃仏毀釈後は『規制』を超えて『弾圧』レベルになったこと

などなど、巡礼者や地元の人といった側の視点から様々なことが書かれてます。

こちらは時代的に室町〜昭和あたりの範囲。



この2冊を読む限り、一般的な旅行ガイドブックなどで、画一的な意味付けされてるのっておかしいのでは?感がじわりじわりと…(・・;)



まぁ、以前に経本を自作するために調べた【お遍路の作法の歴史】で、書いたように



戦後に6番札所の安楽寺主導で現在の形が整備されて、それを周知するための手段として先達制度が制定

って感じ過程で、広報し易いようにバッサリと情報を整理して簡略化したのでしょうけれども( ̄▽ ̄)


ただ、原型について

論文とか学術書レベルまで漁らないと出てこないのって拙くない?

とか思ったりします…。



あと、社会学に基づいてお遍路を捉えた視点が興味深いのが


現代の四国遍路 道の社会学の視点から

長田攻一

坂田正顕

関三雄

学文社


という本で、社会学という学問系の本のためか、横文字の専門用語が多いので一般からすると読み難さはあるものの、学問としての視点は先に挙げた2冊とは全くの別視点で、読んでいて興味深い内容。

徹底して『現代のお遍路』のデータを収集,分析していて、費用や期間といったお遍路関係のネット情報で「よく聞く数値」なども『科学的に主張できる根拠』を持って記載されているので

『お遍路に行くと、わりと聞く日数や期間』

みたいなものに具体的な根拠が欲しい場合はオススメの1冊。


ただ、20年以上前(スマホ,SNS,動画サイトなどがなく、ブログや個人HPの時代)のデータなので、現代の情報共有による効率化&均一化が進んだ状況に比べると値のバラツキが結構大きいかも?




図書館で情報をまとめていると、良い時間になったので善通寺へ。

昼食は精進(禁葷酒肉食)を考えるのが面倒なので、抜きにしました( ̄▽ ̄)


魚系の出汁がアウトだから

香川県で『讃岐うどんの店はダメ』

という難題にぶち当たるので…(´;Д;`)





許可灌頂が始まりまして〜。


前日の説法会に比べると、リンポチェ猊下が早口で長文を話されるているためか、通訳の方がかなり意訳というか、苦労されていたご様子。


後半になってくると、ちょいちょい単語の和訳はできてるけど、文章としては翻訳のニュアンスがイマイチずれてる…?な印象を受けることも。

なんか、前後がちょっと繋がってなかったり…。

直訳なのかもしれませんが、なんか表現が荒っぽいというか、ギョッとするような訳になっているところもありました。


休憩ありとはいえ、4時間も一人で通訳を務められるのでお疲れなのかな…と思ったり(・・;)




許可灌頂会は少し時間が押して、17時10分終了。




前日、善通寺駅に到着した際に

きっぷの発券は有人窓口がなく

・近距離かつ現金専用の券売機1台

・みどりの券売機1台

という仕様なのを確認しているので、時間ギリギリに駅に滑り込むと

きっぷ購入が間に合わず、特急に乗れない可能性が…


ということで、大急ぎで宿坊へ行って、荷物を回収&授与品を仕舞って、駅へ競歩(`・ω・´)


善通寺の門前にタクシーがいたら乗ろう!

と思ったのですが、残念ながら客待ちタクシーなし。


善通寺までは役所などが密集してる大通りだから、歩いていれば流しのタクシーがいるかも?と思いましたが、最終的に徒歩で到着。



駅名が赤く光ってるせいか、駅っていうより、ラーメン屋っぽい気が…('ω')

そんな気がするのは私だけかなぁ…。




許可灌頂を受けた人では私が一番最初の到着だったみたいで、余裕を持ってきっぷを購入できました。


私が電車を待っているとスーツケースを引いた方々が続々と駅に到着。

最後の方とか改札通過が17:47くらいだったから、割とギリギリだったっぽいです:(;゙゚'ω゚'):



17:49 善通寺駅

↓ 特急 南風22号 岡山行

18:47 岡山駅


18:52 岡山駅

↓ 新幹線 のぞみ 東京行

20:28 名古屋駅



岡山駅に着いた時点で、帰宅できるのはほぼ確定なので急ぐ必要は全くないのですが…

香川県に行ったのに、岡山のお土産買うのもちょっと違うよなぁ

と思ったので、まぁいいか〜ということで最短で帰りました( ̄▽ ̄)



【授与品】


特にありません…


許可灌頂は、日本の儀式とは仕様が異なるためです。


強いていうと

・儀式で使った経本(次第)

・真言などが記載された書類

などが授与品ですが…基本的に公開不可と思われる内容なので(⌒-⌒; )



【物品販売】


許可灌頂の会場では密教の仏具などが販売されてました。


ざっくりいうと

ドルジェ,ガンダー,ティンシャ,シンギングボウル,ダマル,ウォーターボウル

和訳併記の経本、関連書籍

などですね( ̄▽ ̄)


印信まで掲載されてる供養法の次第などまで売ってましたが…

許可灌頂会だからセーフ?


仏具類は高くても1万5,000円くらい、かな。


こういう大寺院主催の行事の物品販売のときって、アジア系の輸入雑貨店より手が届き易い気がしますね。

ほぼ仕入れ値なんじゃないでしょうか…?




さて、ここで出会いがあり、タンカをお迎えしました・:*+.\(( °ω° ))/.:+



実は、仁和寺で許可灌頂を受けた際に、ご縁がなかったというか…



悔しい思いをしたことがありまして(T ^ T)



アジア雑貨店とかを観て回ったこともあるのですが、善い出会いがなくて今日に至るという…。


そんなわけで、タンカを!!!

我が家においでいただくのは『白多羅菩薩様』


日本神話の神様みたいな誕生の仕方をされていて

観音様が「どんなに頑張っても衆生を救えない…(T ^ T)」と涙を流された際、右目の涙から生まれた

とされます。

※左目の涙からは緑多羅菩薩が生まれた、とされます。


日本だと胎蔵界曼陀羅に居られますし、変化観音の一尊とされていますので、日本の仏教的には観音様ですね('ω')



海外だと緑多羅菩薩様と白多羅菩薩様が二大人気!とのことですが、日本だと色分けはなくて『多羅菩薩』という1尊扱いになってます。

色分けのある場合、日本では緑多羅菩薩様が人気みたいですね( ̄▽ ̄)


緑多羅菩薩様は金運の向上,商売繁盛,災難避けなど、幅広い現世利益があるとされるからかなぁ…感。

『活動的な菩薩』とされてるので、日本的な言い方だと『行動力と実力を兼ね備えたカッコいい女性』みたいな感じで、憧れの対象になっている可能性もありますが…

※多羅菩薩様は『女性』と明記されていて、分類としては女神(にょしん)



ちなみに白多羅菩薩様は『母親のような包容力』とか『慈しみの心』の菩薩様とされていて、ご利益は健康増進,延命長寿など。