禅宗のお坊さんは『指導』とか『警告』って意味で、指をパチンと鳴らします。

※密教だと『印』の一部なので、伝授が必須


禅宗の場合だと

『道場の中で言葉を発してはならない』

という規則があるそうで、指を鳴らして警告するのだとか。



この指鳴らす動作。

マジシャンの方々のものと禅宗のもので、手の形が違います。




マジシャンの方々のは

『親指と中指』を使って、手が🤌になるように鳴らす

というタイプで、大きな音が鳴ります。

※名称は『フィンガースナップ』


原理としては

『中指で、親指の付け根を叩く音』

なので、指一本で親指の付け根を強く叩いて拍手をしているような感じ。



対して、禅宗のは

『中指と親指で、人差し指を挟んで鳴らす』

というタイプで、鳴らした後に手が👉みたいな形になります。

※名称は『弾指』


こちらは

『親指で中指の側面を叩く音』

なので、極端な言い方をすると

指だけで拍手をする』様なもの。




弾指を実際やってみると、これが全然鳴らないのです(・ω・`)


結論から書くと、鳴らないのは

単純に、筋力不足

という事でした(´-ω-`)


それも『伸筋』という『指を伸ばす筋肉』の筋力が…(・ω・`)




鳴らない原因疑惑1[指の長さが合わない?]

最初、単純に『指の長さの都合で鳴り難いのでは?』と予想。

YouTubeなどにある色んな動画を見ても

・人差し指が中指と同じくらい

・人差し指が薬指と同じくらい

など色んなタイプの方々が鳴らしているようなので

『指の長さによって、極端に向き不向きがある』

ということはなさそうです。


鳴らない原因疑惑2[爪の長さ?]

次に疑ったのは『爪の長さ』が問題なのでは?ということ。

ただ、住職の話を聞く限り、僧堂で爪が極端の長いとかそういうことはなさそう…。

つまり、これも可能性としてはなさそうです。

念のため、YouTubeにある動画などをチェックしても、爪の長さは関係なさそうです。



結局、どちらも違うということで

原因は何だ〜!

と思いつつ、ただひたすら練習してみる日々…。


YouTubeにある色々な動画を観察した結果…

『人差し指を素早く伸ばす』という筋力が要求される動作である

という結論になり、手の筋肉を調べたところ

総指伸筋

という筋肉を鍛えれば鳴るようになるのでは?


ということで、そこを意識して鍛えてみたら、鳴るようになりました(°▽°)




僧侶の話を聞いたり、ブログを読んだりすると

『3ヶ月程度練習すれば鳴る』

というのが主流の様です。


筋トレで『効果が実感出来る』とされるのが

3ヶ月程度〜

なので、期間は一致しますね( ´ ▽ ` )


そうなると、足りないのは『握る筋力』ではなく『開く筋力』なので

・ひたすら鳴らす練習を続ける(実践練習)

・器具でトレーニングする(筋トレ)

という二択ですね(・ω・`)


道具を使わない『自重トレーニング』といわれる方法が難しい筋肉なので…。



【疑問】

なぜ、弾指なのか。

なぜ、フィンガースナップではないのか。



実際に出来る様になってみると、下記の点に気付きました。


フィンガースナップの特徴

・音が大きい

・手首や腕の振りを合わせることで、より大きな音も出せる

・握力のみで鳴らせる

・爪が長くても鳴らせる


弾指の特徴

・音量をコントロールし易い

・指の乾湿の影響が少なく、安定している

・動作が小さく、振動が少ない

・指を伸ばす筋力が必要

・爪が長いと鳴らせない



この中で『宗教上の所作』として要求されるであろうポイントとしては

・指の乾湿の影響

という点かな、と。



[指の乾湿の影響]

言い方はアレですが『業務上、必要とされること』というものは

なによりも『確実に出来る』という『安定性』が絶対に必要。


僧侶は、マジシャンのような

『比較的安定した環境(屋内など)を選択できる』

『鳴らし損なっても、話術でリカバーする事が不可能ではない』

みたいな条件とは異なり

『真夏の炎天下の屋外で、汗だくになりながら』

『真冬の積雪のある吹き晒しの屋外で震えながら』

とかも想定の範囲内ですし、鳴らし損なっても話術で何とか誤魔化せる場面ではないので

『指の乾湿の影響が少ない』

というのは非常に重要なポイントなのではないかな、と。



【余談】

弾指が出来る=総指伸筋が発達している

ということなので、僧侶は

『デコピンが高威力』

ということになります(笑)