忌中期間に書いた『忌中』



なんか歪んでます。
『基礎が成っとらん!』と、書道の先生方に怒られそうな感じ。


さて、忌中と書いてみて『己の心の中』という事に気付きました。

忌中は故人にとっては『十王裁判が一段落するまでの期間』とされ、遺族にとっては『死別について心を整理する期間』とされます。

この『心を整理する』から『己の心の中』で『忌中』なのかーと。

まぁ、浄土真宗ですと即往生の教えなので十王裁判ありませんけど。



この期間、『死は穢れ=気渇れ』なので、神社へ参拝してはいけないと申しますが、なるほど。

神社って、現代の習慣的にいえば、七五三、初詣、結婚式など『何かが始まる』という幸せな空気の空間なんですよね。

ぶっちゃけた話、神社の前を通り掛かり、幸せいっぱいな光景を見掛けると
「こっちは身内が亡くなったというのに、あんたらは浮かれて……」
みたいな苛立ちが皆無、……というわけでもなく。
なんというか、非常に心の均衡が宜しくない状態です。

忌中は神社に参拝してはいけない、祝い事や旅行なども謹みなさい。というのは『まわりに不幸な空気を撒き散らしてしまうから』ということから出来たルールなんだろうな。
ということを感じました。



~忌明けで持っていてよかった物~

忌明けなどを斎場で行う場合、仮位牌や遺影などを自宅から持っていく必要があります。

専用の箱などがあれば良いんですが、遺影の方は額が入っていた箱がありますが、仮位牌には箱がないので……。

そうなると剥き出しで持っていく?そのまま紙袋に入れる?
そんな事しちゃダメでしょ、常識で考えて。

となると、方法は?って考えると、和紙で簡単に包んで、それを風呂敷で包むのが無難ということに。
見た目を気にしなければ、清潔なタオルで包むという手もありますが。


忌明け法要を終えたら仮位牌と交換で繰出位牌の札板をお寺様から頂くので、札板を包むための和紙と、札板を持ち帰るための桐箱、桐箱を包むための風呂敷。

繰出の場合は札板が御位牌ですから、頂いた札板をそのままポケットに入れるとか、本などに挟むなどの扱いはダメですし。



忌明け後、納骨しない場合は仏壇に納める、となりますが、母が『見えるところに置きたい』というので、床の間に安置することに。

床の間といえど、骨壺の箱を直置きというわけにもいかないので、床の間に大きめの経机敷きを敷いて安置しました。


なんでも予備は持っておくものですね。



他に便利だったものは、書道セット。
葬儀から忌明けまで、色々な事を書きました。

今はハガキでも封筒でも貼り紙でも、パソコン入力&プリンタ出力が家庭でも可能ですし、コンビニや100円ショップで印刷済みの既製品も購入できます。

でも、何かとバタバタしているので「あっ!買い忘れた!!!」ということもありますし、肝心なときにプリンタ詰まったり、インクが切れたり。

他にもコンビニや100円ショップに「御膳料」とか「御車料」という封筒がなかったり。

まぁ、色々なことがあります。
というか、普段は見掛けるのに欲しいときに探すとない!というのはよくあることで。

白封筒や和紙、書道セットと字典があると、いざというときは手書きで解決!ということができて便利でした。


なにより、白封筒は安いですし。汎用性は抜群です。



というわけで、便利だったものは以下の通り
・風呂敷
・白無地の和紙(書道半紙ではない)
・桐箱(商品券用サイズ)
・白無地の封筒
・書道セット(筆,硯,墨)
・字典
・経机敷き(予備用)



~神社~

忌中・喪中は『神社へ詣ってはならない』『お寺へ詣るのは問題ない』と申しますが、青岸渡寺のように敷地がしっかり別れているならともかく、竹生島の宝厳寺のように神仏分離を経ても敷地が神社なのか寺院なのかイマイチ解らないところもありますからね……。

本殿へ行かなきゃいいってもんなんでしょうか。
そもそも神仏習合時代、そのあたり区別あったのかな?


神社へ行けないなら年末にお返ししないといけないお守りや御札などはどうするの?と思ったり。

地方の親戚によると、御札などは
「表参道にある正面の鳥居を通らず、脇道から入り、本殿へ詣らずに直接 社務所へ行けば良い」
だそうです。

意味合いとしては『参拝客』ではなく『近所の氏子が用事があってから来た』みたいな感じですね。



~葬式いろいろ~

先日、『ボクは坊さん。』という映画を観ました。
その中で新米の御住職が「葬式のことは本山では習わない。実地で覚えるしかない」と言っていました。


私も色んな地域の人と話をして来ましたが、葬式って地域によってバラバラなんですよね。
そりゃあ本山で習うのは無理だわ、と。


私のところは都市部ですので、準備などを葬儀屋さんに丸投げして
お通夜→葬式→火葬→初七日→忌明け→納骨
という、たぶん一番一般的な方式。

私の上司の故郷は
お通夜→葬式→火葬→納骨→初七日
という感じに、火葬後すぐに納骨する模様。

岐阜の親類のところでは町内共有に葬式祭壇があり、地域の集会所に地元の人達の手作業で組み立て、葬式を行うとか。
葬儀屋さんは棺桶の運搬とか、司会進行役といった程度。

同僚の故郷(岐阜)では、納棺は自宅で行い、お通夜や葬式は菩提寺。
菩提寺までは親族や近所のみんなで棺を担いで行くそうです。

三重の親類だと
お通夜→火葬→葬式→初七日
えぇぇっ!?お葬式の時点で火葬済みなの!!?と驚愕の順番です。



納骨についても地域柄があるらしく。

千葉の友人は『人の頭くらいの骨壺を墓に納める』といっていました。

富山の友人は『タライくらいの大きさの骨壺に入れる』とか。

名古屋は『死者は土に還る』と考えるので、遺骨を薄手の綿の袋に入れて、墓の中へ。
名古屋のお墓って、○○家の墓とか書いてある石の土台部分は中空で、香炉の石を退けると墓の中に手を入れられるようになってます。
ちなみに墓の下は石やコンクリートではなく、土が剥き出し。
遺骨の入った布の袋をは墓の中の土の上に置くのが納骨。
その内、袋が腐食するなどして破れて、いずれは骨が土に還ります。

なので、名古屋のあたりは墓地の跡地は土に遺骨が混じってるので、前に使用者のいる墓地を嫌がる人もいます。



余談ですが、骨壺のパンフレットに『安らぎの器』『終の身体』みたいな売り文句を見かけたとき、親族で
「2ヶ月くらいで捨てる入れ物に何いってんだ?」
という会話があったりしました。

なにしろ、名古屋の場合、骨壺は納骨後、墓地の不燃ゴミ置き場に捨てるので。


ネットがなく、あまり他地域の情報がない頃、ニュースなどで『有名人の親族の遺骨が盗まれました』と聴くと
「なんでそんな大がかりなことをして気付かないんだ?」
と疑問に思ったりしたものです。
※名古屋の墓から遺骨を盗もうとすると、墓石を土台ごと撤去して、墓の下の土をごっそり持ち出す必要があります。



~奥様方の女子力~

冠婚葬祭って女子力に差が出ますね。
まぁ、私自身、何となく『女子力』って言ってるだけで、女子力の意味が正しいのかは解りませんが。

個人的にここが女子力高いな!と思った点は
・旦那のネクタイを整えてあげられる。
・敷居や畳の縁を踏まない。
・風呂敷や袱紗などを使う。
・続柄などから席次や順番を把握し、周囲にそっと促せる。

といったあたり。


普段は旦那さんがスーツを着ない職種の方だとネクタイは冠婚葬祭くらいのため、意外と難関な様です。
職人の奥様方が、服装や礼儀に厳しい高齢の親類にバッサバッサと切り捨てられてました……。



和室の基礎的なマナーなどは洋室に慣れていると結構忘れがちなんですよね。
というかマンション暮らしだと和室に馴染みのないため、マナー自体知らないということもありますし。
学校の義務教育で習うことでもありませんし。

会社の営業部門などだと、料亭での会食マナー、レストランのテーブルマナー、ホテルの立食パーティマナーなど、接待を意識したものがある場合もあるので、和室のマナーを習うかもしれませんけど。



風呂敷や袱紗といったものは日常ではあまり使いませんし、店で入れてくれる紙袋でも良いんですが、例えるなら
・コンビニ弁当をそのまんま持っていくか、弁当箱に移し替えて持っていくかの違い
・返信用封筒に『○○宛』を『○○様』とか『○○御中』に訂正して送る
といったものと同じような、ちょっとした気づかいを感じました。
このあたり、考え方の違いだと思いますけど。


席次や順番については、年功序列やら色々ありますが、何かと普段の癖が出やすい部分なので、キチンと把握できて、それを促せるっていうのは凄いと思います。

政治家とか会社の偉い人とか、普段から常に大勢の先頭にいて、率先して動くのが当たり前って人だと『遺族よりも上座に座ろうとする』『遺族より先に僧侶へ挨拶をしようとする』『遺族より先に焼香しようとする』など、無意識にやってしまうことも。
もしそうなると、葬儀屋さんや僧侶も困惑してしまうし、我々遺族も困ります。

もし、遺族ではなく親族が先頭にいた場合、それを指摘するのも当人に恥をかかせることになるので言えず……。
となってしまうので、それとなく空気を読んで旦那さんを動かせる奥さんって凄いと思いました。



~喪中~

家族が亡くなると四十九日が終わるまでは『忌中』といいます。
私の家の場合、地域柄なのか、お寺の方針なのかは解りませんが三十五日が忌明けになりますので『忌中』は四十九日ではなく三十五日です。

忌中を過ぎるとそのまま『喪中』となります。
さて、問題です。
『喪中』とは、何日間?
一応、昔は法律で故人との続柄により喪中期間が明記されていたようですが、現代ではかなり曖昧なようです。

先達仲間に訊いてみたり、職場の同僚に訊いてみたり、ネットでググったり、図書館で葬儀マナー本を読んだり。
色々調べてみた結果、とりあえず多数派なのが
正月を祝わない
というのが『喪中』の区切りだよ!という認識が多数派のようです。

極端な話、正月に親族が亡くなったら喪中は365日で、大晦日に亡くなったら1日しか喪中がない模様。

地域性もあるとは思いますけどね。


ちなみに『三回忌を終えるまで』というのが最長の回答でした。



~御布施~

俗な話ですが、とりあえず皆さん興味があると思われるのでメモっておきます。

あくまでも我が家の例です。
地域や宗派だけなく、お寺や僧侶個人の考えもありますし、基本的には『お気持ちで』という部分なので、なによりも自分の懐具合と相談で無理なくお納めを。




葬儀(法名料&初七日法要を含む)の御布施 20万
院号 8万(真宗大谷派は8万円の定額制。お手継寺の取り分なし)
御膳料 1万(僧侶が精進落としを辞退された場合)
御車料 1万(僧侶の移動手段は問わない)

計30万円。
ちなみに内訳が解りやすいように、全て別の封筒でお渡しします。


忌明け法要の御布施 5万
御膳料 1万(僧侶が食事を辞退された場合)
御車料 1万(僧侶の移動手段は問わない)

計7万円
こちらも葬儀同様に全て別の封筒で。

忌明け法要のあと直ぐに納骨する場合、墓地へ移動するので、御車料とは別にタクシーを手配して、全額こちら持ちとなります。
お渡しする御車料はあくまでも『お寺~法要会場の往復分』であって、法要会場~墓地の往復分は別計算なので。

うちの場合は『遺族&親族は貸し切りバスで、僧侶はタクシー』というのが定番なので、こうなってますが、僧侶によっては遺族や親族と一緒にバスに乗られることもあると思います。

納骨の法要 3万円


月参りは一周忌が終わるまで5千円で、それ以降は3千円という感じ。



ちなみに、私の知ってる脱サラ組の御住職は
・葬儀や月参りの御布施は依頼があった時点で、価格を提示して交渉する。
・葬儀の御布施などは寺の名前の入った朱印を捺した請求書を発行。
・御布施を受け取ったら領収証を発行。
という明朗会計。曖昧請求・追加請求一切なしという人もいますが、まぁレアケースですね。