こんばんは。

「快適デザイナー」のウッシーです。

 

 

さて、前回に引き続き、フローリングの特徴を紹介したいと思います。

 

読んでない方はこちらを先にご覧くださいね。

https://ameblo.jp/h2086510085/entry-12589675418.html

 

 

前回のVol.11では、商品のそれぞれの客観的な特徴をご紹介しました。

そして今回は、その特徴によって何がどう変わるか。をお届けします。

 

それでは早速いきましょう!

 

 

【 施工性 】

製品の特徴が違うので、それは施工性にも影響を及ぼします。

【平面】の項目ではフローリングを貼る「大きさ」について、そして【精度】の項目では「クセ」について触れました。

これが現場で施工する際には重く重くのしかかります。

この話を知ったら職人さんには感謝したくなりますよ。きっと。

 

複層フローリング

施工性という面では、重さが関係してきます。

住宅の場合だと2階建てが多いでしょう?

そして日本の住宅って狭いじゃないですか。

するとね、重いと運ぶのが大変!

なので、軽い複層の方が当然現場はラクです。

 

そして、「大きさ」についてですが、複層は約30cm×約180cm単位で貼るので、施工が簡単です。

他には、「精度」ですね。

単純に全く同じ製品なので、すごく貼りやすい。

複層の場合は普通に貼っていけば問題なくパパッと貼れる。と言って良いと思います。

 

どのくらいの期間で貼れるの? って事にお答えすると。 。 。

都心部の住宅の平均的な広さが1軒あたりおよそ30坪(ざっくりで100平米)程度なんですが、このくらいだと、大体2日程度でしょうか。

比較的早く貼れます。

 

無垢フローリング

重さは、複層より無垢の方が重い。なので。 。 。あとはご想像ください。

 

「大きさ」についてですが、無垢は本当に商品によって大きな差があるのですが、よく使われるのは幅:90mm、長さ:600〜1500mm程度でしょうか。それを丁寧に一枚一枚貼る事になります。

もう。一枚あたりの面積が全然違うので、無垢の方が大変だということは想像に難くないでしょう。

 

ただね、難しいのはここから。笑

無垢にはクセがあるんですが、それが曲者です。

詳細は省きますが、工場でフローリングを作る際に真っ直ぐ同じ幅でカットしたとしても、そのクセによって、現場に運ばれ使う頃には大きさが変わっていたり、ねじれたり、反ったりしてしまうんです。

そして大きさが違っていた場合、一枚一枚調整しながら貼る必要性が出てきます。

 

また夏場は、気温も湿度も高いので、木はそれに合わせ水分を多く含みパンパンに膨らむ。

冬場は気温も湿度も低いので、水分は出ていき細っそりスリムになる。

なので、冬場にきっちり合わせて敷き詰めてしまうと、夏にはパンパンになり盛り上がってしまうので、職人さんは夏場に木がどのくらい膨らむかを想定して施工する事になるんです。

(ちなみに、冬場には1〜2mm程度の隙間ができます)

大変でしょう?

 

期間的には、上の複層と同じ条件で4〜5日程でしょうか。

およそ倍ですね。

 

 

 

【 メンテナンス 】

人によってはこれを判断材料とする人も多いでしょう。

衣服における化学繊維と天然繊維との関係に似ており、無垢の方がデリケートなため手間が掛かります。

複層フローリング

喩えた話と同じで、お手入れは比較的ラク。

多少醤油をこぼしたりしても、それほど問題ないことが多い。

ただ、仮にも木なわけですから、長時間の放置は避けましょう。

そのくらいの認識でとりあえず大丈夫です。

またワックス掛けもしなくて良い商品が多いと思います。

 

また、傷については表面の加工にもよりますが、削れてしまった場合は下地材がそのまま見えます。張り替える以外、有効と思える手立てを僕は知りません。

マジックペンでの塗装は出来ますが、所詮誤魔化す程度。

この画像は複層フローリングを少し削ったものです。

よく見ると分かるのですが、表面のシート(単板)は薄いので、このように見えます。

 

無垢フローリング

まず無垢のフローリングには塗装が必要なので、最初からオイル塗装がされている商品をオススメしています。

このオイル塗装については、またいずれ触れます(今回は省略)。

 

そして、定期的なメンテナンスが必要です。

僕のクライアントさんには、1年目は出来れば半年ほどで、その後は1年毎にお手入れすることを推奨しています。お手入れというのは、オイル塗装をすることです。

最初のオイル塗装もやはり日が経つにつれて落ちていくんですね。

また、木の中の油分も抜けていくのでオイルで塗膜を作ってあげます。

 

それから水には強くないので、なるべく乾燥させた状態を保つことが大事。

キッチンのマットなどは1週間に一度は取り外すなど少し気を遣う必要があります。

 

尚、傷については、一枚板なので表面が多少削れても特に気になる方はいないでしょう。

軽く拭き掃除、もしくはヤスリで少し整える程度で大丈夫です。

ボコっと凹んでしまった場合でも、当て布をしてアイロンを掛ければ少し元に戻り目立たなくなります。

木には水分が含まれているのでアイロンを掛けることで、水分が凹んだ部分を膨張させ、復元させてくれるのです。

コレ意外に凄いでしょう? 本当の話ですよ。

 

 

さて、ここからは特に感覚的な話になります。

 

【 見た目 】

複層フローリング

最初は均一的で、フラットな感じがします。

基本的には一律で同色です。

ただ、【平面】のところで説明した、本来はないはずの継ぎ目が見えてくるので、不自然に感じ違和感を覚えます。それが、無垢を知っている人からすれば軽く安っぽさを感じる人もいるでしょう。

複層を見慣れている人は気づかないかもしれませんが。笑

 

無垢フローリング

木の色がそのまま出るので、個体差があります。

同じではないので、これを木の個性と思えば良いですし、不揃いだと思えばそれまで。

人によって感覚は違ってくるでしょう。

 

木の種類によって、硬い・柔らかいという感覚が見た目にも現れています。

 

 

 

【 経年変化 】

人の感じ方にもよるでしょうが、結構大きな違いが出ると感じています。

複層フローリング

完成時が最も良い状態と言えるでしょう。

使い、時が経つほど基本的には劣化していくものです。どんどん色は剥げていきます。

なんだってそうですね。

 

無垢フローリング

完成時が最も綺麗な状態である事には変わりありませんが、使い、時が経つほど味わいが増します

これは革製品をイメージすると分かりやすいと思います。

革製品もオイルメンテナンスが必要ですよね。それを行うことによって、状態はよくなります。

あなたの生活に馴染み、解け込みます。

生活によって無垢材の表情が変わります。

よく歩くところには人の油がのり、それを年に1度ほどメンテナンスすることにより少しずつ光沢が出てくるようになります。

手を入れることにより時が経つほど愛着が湧きます

日焼けもしますが、それも味に感じる人が多いようです。

また使い込むことによって、完成時よりも個体の色の差が全体的に馴染み目立たなくなります。

 

 

 

【 肌触り 】

複層フローリング

多くの方が既に実感済みかな。

 

無垢フローリング

木は呼吸している。言われるように、水分を吸ったり吐いたりするので肌馴染みが良いです。

夏場、汗をかいてもベタベタした感じがしづらいです。

木の種類によって大きく変わりますが、木の柔らかさが伝わってきます。柔らかい木はリアルに衝撃を抑えてくれますし、硬い木はゴツっという感じがします。

 

個人的には、この肌馴染みが良い点が優しく心地よく感じさせてくれます。

 

 

【 その他 】

複層フローリング

結構、価格に比例するかのようにいろいろな性能があります。

例えば、トイレや洗面所に適したような仕様のものなどあります。

 

床暖房対応のフローリングが比較的多め。

 

無垢フローリング

室内の空気を整えてくれます。

天然目の性質上、吸ったり吐いたりするので、夏場の湿度が高い時は湿気を吸ってくれます。

冬は逆に湿度が低いので、木の中の水分を吐き出し室内の環境を一定にしようとしてくれます。

そのために木自身が膨張・収縮を繰り返すわけですが。

 

こちらは、床暖房は基本的にNGです!(注意してくださいね)

ただ床暖房対応品もあるので、そういった商品を選べば使用可能。

ですが、品数は少ないですし、結構割高です。

 

 

 

いかがだったでしょうか。

もちろん突っ込んだ話はまだまだあるのですが、ここまで理解しておけばとりあえず、「複層」と「無垢」の特徴比較としては充分だと思います。

 

これらの特性を理解してあなたにはどちらが合いそうか。自分なりに考えてみてください。

 

 

ということで、今回はここまで!

次回は、これらの特性を基に、僕なりの見解・オススメをお伝えします。

お楽しみに。