「大脱走」という映画がある。

第二次世界大戦中、ドイツ軍に捕らえられた英空軍の士官らが捕虜収容所から大勢で逃げた。

その実話が基になっている。

 

▼脱走に使う身分証明書を偽造する役の士官がいた。

細かい作業を続けるうちに目がよく見えなくなる。

その場面を思い出したのは、児童生徒の視力低下が深刻という記事を読んだからだ。

 

▼石川県でも学年が上がるにつれて視力が落ちる傾向があるという。

スマホやゲーム機で画面を見続けることが影響しているらしい。

動画もゲームもおもしろいから止まらない。

学校ではタブレットを使う授業が増えた。

これでは目が疲れてしまう。

 

▼大脱走の士官はある日、視力を失ったことに気付いて愕然とした。

そこまで極端ではなくても、今の児童生徒は気付かないうちに目を酷使している。

遠くを見ることも減っているのではないか。

 

▼スマホに捕らわれているのなら、たまには情報の渦から脱走したらどうだろう。

夜空が晴れたら空を見る。

宇宙を眺めるうちに落ちついてくる。

目にいいし、本物と偽物を見分ける眼力を養えるかもしれない。

(行燈)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024年11月29日(金曜日)

北國新聞朝刊

時鐘より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実りのいえ

たむらめぐみ