工藤直子 詩集*こどものころに みた空は*エピローグより
くりかえし記憶の底から
うかびあがる事柄があります.
たとえば五歳のころの、
ある日の夕焼け。
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くりかえし現れる、
こどものころの記憶には、
不思議な合図が、
ひそんでいるのではなかろうか。
なにもかもが「お初」だった、
あのころの自分からの
伝言のような。
そしてそれは
(喜びの記憶であれ悲しみの記憶であれ)
私をどこかで支え、
励ましてくれているようなのです。
(あなたは独りではない。
沢山の「こどものあなたが」、
いつもそばについているから大丈夫)
とでもいうように。
この文章を何度も何度も
読んで
頑張ってた
ころもあったなあ
と
本棚からこの詩集を
見つけて
思い出した。
ユーカ