モンサンクレールのオープンから17年間、様々なことがあった。

父との再会や「料理の鉄人」でのパティシエ初勝利、辻口ブランドの確立に辻口物語である「スーパーパティシエ物語」の出版。物語を描いてくれた輔老さんとの出会いから、僕のノンフィクションがさらに具体化された。

なぜならNHK朝の連ドラ「まれ」の誕生も、この「スーパーパティシエ物語」を読んでくださった高橋プロデューサーが、僕を訪ねてくれたことからスタートしたわけだから。

今思い返しても「まれ」は、パティシエのフィールドを変えてくれた。パティシエの物語がNHKの連ドラになったのは初めてだったし、そのおかげでスイーツ業界は多くの恩恵を受けることができたと思う。

しかしながら、僕の言いたいことはそんなことではない。この一緒に写っている家族のことなんだ。この真ん中にいるかわいい娘さんこそ、この日一番感動した出来事だった。なぜなら、この子の名前がまれちゃんだったからだ。連ドラを見て、まれちゃんにしたと両親から直接聞いて、本気で身体が震えました。

「まれ」は心の拠り所だったし、本当に素敵な思い出です。そんな「まれ」を見て、まれちゃんと名付けた家族に感動と感謝です。ありがとう。そしてまれちゃん、元気でかわいい女性になってくださいね。心から応援しています。