87歳の私の父は認知症。
体はとーっても元気で
病院には行かないし
薬も全く飲んでない。
ただただ記憶が薄れるのが早いだけ。
5分前に自分がしたことも覚えてないし
誰かに言われた事も覚えてない。
だから、何度も同じ事を繰り返します。
例えば
新聞を読んだのに
5分後には「新聞読ませてねー」と言って読み始め
終わって5分後には戻ってきて「新聞読ませてねー」とまた読み始めます。
1日に10回くらいは新聞を読んでます。
本人は覚えていないので
全てが初めて。
でも、家族にとっては
10回近く同じ事を言われ、同じ行動をする父を見ています。
忘れる人が悪いわけじゃないけれど
覚えている私たちにとっては
毎回、毎回を初めて体験するように
応対することは結構きついです。
最初の3回くらいはいいけれど
それ以上になると
ちょっとイラっとするし
「さっきも見たよ！」
なんて一言言ってやりたくなります。
こういう時ですよ！
自己成長の絶好のチャンス！
全てが初めての事と感じる人に対して
「さっき読んだでしょう」
とか
「何回読むの？」
と聞いても意味がないですよね。
だから、
全てが初めて聞くと思って相手の話を聞くの。
何回でも初めて。
そして、目の前にいる人は
「そう思うんだねー」
とただただ受け止めるだけ。
そこまで思うのには
私もずいぶん時間がかかりました。
でも、今は自分のあり方を基準に
自分がいつもどういう人でいたいか
を考えて
その自分ならばここでどう対応したいかな
と考えると
ただただ目の前にいる人は
「そう思うんだねー。」
そして、今が初めてなんだねー
と思うだけでいいんだよね。
そして、
私がこういう対応をしていると
家族も不思議と同じように対応するようになるんです。
こう言ってね
ああ言ったらダメだよ
なんて言わなくても
自然と「そうだねー」「どうぞー」
と言うようになるんです。
だからうちでは
家族が父に対して怒ったりすることはないかなあ。
キレた父が大きな声を上げる事はたまーにあるけどね。
それでも、家族は
「そうだねー」「そう思うんだねー」
と穏やかに受け止めます。
父の姿を見て
イヤだな
見たくないな
と思う時もありました。
でも、今は父の姿を通して
自分がいろんな事を感じ学んでいる事を
有り難いなと思います。
私の父と同じように記憶が薄れてしまうご両親をお持ちの方の
何かお役に立てたらうれしいな。
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