前回のブログの続きになります。
突然湧き上がってきた雲と競争するかのように急いで向かった(空気が薄いために全力疾走はキツいので、小走り程度です)、標高2,880Mの別山の北東側山頂。
この日の勝負の結果は?といいますと…
私の勝利!!何とか間に合いました~(でもさすがにちょっとだけ息切れしました…)。
森林限界を超える剱・立山の峰々の稜線上には樹木はほとんど自生しておらず、背丈の低い針葉樹のハイマツが所々に見られる程度です。
それでも標高2,600Mあたりまではナナカマドやミネカエデなどの落葉広葉樹も自生していますので、秋の紅葉シーズンを迎えると、この緑一色の山肌にも所々鮮やかな赤色や黄色の色彩が加わってくるんですよ~。
私が今回訪れた7月下旬は、雪深い剱・立山の標高の高い地点ではちょうど新緑と芽吹きの季節…緑がもっともみずみずしい時季です。
この日も眩しい朝陽に照らされた山肌の緑のグラデーションがとっても美しかったですし、眼前にそびえ立つ標高2,999Mの剱岳に刻まれた白い氷河や雪渓と黒い岩稜との対比も神々しさに満ちていたなぁ。
天空に鋭く突き上げるかのように屹立する山頂ももちろんですが、そこから向かって右側に連なるノコギリの刃のような八ツ峰も剱岳の荒々しさを象徴する岩稜であると言えます。
そうそう、ちょうど雲がモクモク立ち昇り出した直後に立山主峰から龍王岳,浄土山方面の峰々もカメラにおさめておいたのですが、こちら方面にはご覧のとおり雲はほとんど無し…ほんのちょっとしか離れていないのに、本当に不思議にものですね~。
真砂沢方面にはほぼ垂直に近い大きな雪渓が眩しく輝いていたほか、遠くには薬師岳もくっきりと見えていました。
眼前にそびえる剱岳を眺めながら息をととのえた後、再び南西側の山頂方面に戻って歩き始めました。
するとそれから10分もしないうちに雲が一気に勢いを増してきて、剱岳はこのようにすっかり雲におおわれてしまい、立山主峰方面に至っては完全にガスにつつまれて真っ白になってしまったのです!!
山頂に到着するのがもう少し遅かったら、これらの絶景の大半には出会えなかったんですよね…。
とにかく気まぐれで気分のいい時とご機嫌の悪い時との差が激しい山の神様ですが、今回はいちばん目にしたかった山岳景観をバッチリ見せてくれましたからね…きっとまずまずいい気分の日だったのだと思います♪
雲かかる剱岳を仰ぎ見ながら朝食のお弁当をいただき、水分補給をしてから別山山頂に別れを告げ、立山縦走路を歩き始めました。
視界がほぼ効かなくなってしまった事もあり、この後はひたすら室堂平まで歩くだけになるだろうなぁと思っていったんカメラをしまおうと思った矢先、何とすぐ近くにオスのライチョウがいるではありませんか!!
ライチョウは子どものお世話はひたすらメスが見て、オスは卵を産ませたあとは一羽で自由気ままに過ごしているのです。
人間の世界では男性も育児休暇を取得して子育てに参加しようと言われていますが、どうやらライチョウの世界には関係ないみたいですね(笑)。
ちなみにライチョウの親鳥は人間に対する警戒心はかなり緩く、1メートル近くにまで近づいても逃げない事もしばしばです。
次回からは今夏2回めの山歩きの様子をご紹介させていただきますね。
後半はこちらも今回がラストになりますが、8月下旬に出かけてきました黒部峡谷の続編をどうぞ。
祖母谷川は川床の至る所から温泉が湧きだしているため、水は雪融け水とは異なる独特の青さをたえていますし、手を入れると結構水が生あたたかかったりします。
木立の向こうには後立山の峰々も大きく見えています。
温泉宿の建物もこんな感じで野趣にあふれており、大自然の中でのんびり露天風呂を楽しめるのが大きな魅力です。
ちなみに祖母谷と書いて『ばばだに』と呼ぶのですが、その昔加賀藩の山守をしていた男が妻の嫉妬深さに嫌気がさしてこの地から信州に逃げようとした際、それを知った妻が鬼ばばあみたいに怒り狂って追いかけてきたが、誤って谷に落ちてしまった事が地名の由来なのだそうです。
ちなみに本当に鬼ばばあに遭遇したという話は聞きませんので、どうぞご安心くださいませ(笑)。
欅平に戻り、奥鐘橋の下の河原に下りてみました。
ちょうど夏休み中という事もあり、冷たい水に手足を入れて遊んでいる子どもの姿も見かけたなぁ。
帰路のトロッコ電車の車窓から眺める、猫又駅付近の『ねずみ返しの岩壁』。
9月を迎えて1週間余りが経ちますが、まだまだ真夏並みの暑さが続きますね。
来週末は勤務先の小学校の運動会ですので、私もグラウンドの整備などの準備をしっかりすすめたいと思います。