● 私が考える、昨今の日本の音楽シーンが冴えない(笑)理由 | 願いの花が咲く運命を信じて

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音楽一般、日々感じたことなど、ざっくばらんに。

● ジャニーズやAKB48とかアニソンとか、そういうジャンルの楽曲は、職業作詞家、職業作曲家等が作品を作るから面白いものができあがる。昔の歌謡曲やらそういうのもそうでしたけどね。

一方、その他の邦楽アーティストの作品、特に最近のやつは自分たちで作詞、作曲等するがなかなか人々の心惹くものができあがらない。って、全てが全てじゃないですけどね(笑)。良いものもあると思いますよ、もちろん。全般的に言えばということです。


私も中学生の頃ヘビメタにはまって以来、洋楽一筋で来て、その後、一部の邦楽はよく聴きましたが、特に大物アーティスト系のやつとかね、あとは、「おかあさんといっしょ」に出会い、「こどものうた」や「童謡」に目覚め、その後、宝塚等ミュージカルとか、ボサノバやジャズフュージョンとかに幅が広がってきました。

しかし、特に、邦楽については興味がわいた記憶がほとんどない(笑)。

だが、ついにAKB48に出会って、邦楽に戻ってきたという(笑)。いや、その間、SMAPやKinki Kids等ジャニーズや一部アニソン的なものは若干聴いてきましたけどね。


そんなわけなんですが、なぜ、最近の邦楽が冴えないのか、その理由について、私が個人的に感じているところを少し触れてみたいという次第です。

● まずは、あまりパーソナリティを前面に出さない歌唱。

よく、歌唱力だとかアーティスト性だとかクオリティとか、気取って語る人がいますが、特に、日本のR&B的なものでよく感じるのですが、あまりにも洗練させ過ぎてしまって、そのことによってその歌ってる人のパーソナリティを捨象してしまっていると思うんですよね。

確かに歌は上手かったり、なんかさまざまな技術を駆使して、よっぽど作り込んでるんだろうなとは思わせるものの、その人の人間臭さとか体温とかキャラクターとかを削ぎ落とし過ぎているから、つまんないものになっちゃう。単に、「歌が上手いだけ」という歌手のどれだけ多いことか(笑)。

秋元康先生が仰った、「歌は、歌唱力とかよりもその人の人生が滲み出てくるようなものがよい」、この言葉。私はこの言葉に触れ、全く秋元先生に心酔したわけですが(笑)、この教訓は「絶対的」だと思うんですよね。

たとえば、アイドル曲をナメてる人は、私は似非音楽ファンと思っておるのですが(笑)、彼らはこのことに気づかないでいる人々と言わざるを得ない。アイドルはまさに、アイドルの「キャラ」がまず前提にあり、それに合わせて曲を作るから、その人のパーソナリティが前面に出る。各個々人の人間としての面白さが、曲や歌唱の面白さに滲み出て、人の心を掴む。

もちろん、アイドルのみならず、「その歌い手の人生(つまりキャラクター)が滲み出ている」音楽というのは、ジャンルを問わず面白いものになっているはずです。人の心も掴む。


● それから、あまりにも「現実路線」の歌詞ですね。

これはずーっと思っていることで、特に、AKB48関連で音楽祭とかの音楽番組でいろんな最近のアーティストさんを見たりするのですが、歌詞を読んだだけで、「ありゃま」と思ってしまうことが多い。

まぁ、特に、秋元康さんだけではないのですが、職業作詞家の作るものについては、さすがプロということで、その辺よく分かってらっしゃるのでそんなことはないのですが、特に、新進気鋭のアーティストが自分で作詞する場合ね。

正直、つまんねぇと思ってしまうことが多い(笑)。


愛とか友情とか元気を与えるとか(笑)、それら限られたネタから離れることができずに、延々とループしてるという感じが否めない。もちろん、それらをモチーフでもいいですが、あまりにも「そのまんま」っていうベタなものが多い。「愛してる」「あなたに恋してしまった」的な、そんなんばっかりじゃん(笑)。

おそらく、「自分の気持ちを表現する」という思いが強く、それをどう言葉に表していくか・・ということに執心されてるということでしょうが、そういう現実路線の、「あるある系ネタ」で勝負しても、一作品ぐらいならいいですが、延々とそんな作品ばかり作っていても全く面白くもなく、心を惹かない。

歌詞中に、「あなたを愛してます」的なものが出てきただけで、「うへー」と思ってしまう(笑)。

・・・。

私は、「おかあさんといっしょ」にハマって気付いたことがありまして、その、各作品の歌詞の想像力の豊かさなんですよね。その後、私、童謡→絵本→児童文学とハマって行ったんですが(笑)、それらも同様。

つまり、おとぎ話の世界じゃないけど、創作した世界観というか、現実にあったことではないですけど、そこに小説ほどではないにしても、ストーリーが描かれたりしていて。その中で人生や生活の機微について、ほのめかすというか、メッセージをさりげなく織り込む、そういう世界。


マンガやアニメでもそうじゃないですか、全く現実にはありえない世界観が、イマジネーションを駆使して描かれたりして、ある種、妄想ではないですけどね、そのストーリー性がすごく面白いじゃないですか。

絵本や児童文学なんて作品も、単なる子供向けのもの・・なんて馬鹿に出来ないすごい世界で、その作者の想像力の豊かさのすごさに触れると、大人でも、感動できるものが山ほどありますね。

音楽の歌詞もそうです。現実的じゃないけども、その想像力から生み出された「世界観」というものが、短い字数の中に、いかに効果的に埋め込まれるか・・というところが面白いのだ。

この辺りは、児童文学や絵本の世界を見てても、面白い作品か否かというところに関わる重要なポイントでして、作詞の世界においても、やはり大御所と言われる方々の作られるものというのは、そういう要素が非常に大きかったりする。

・・・・。

つまり、必ずしも現実に引きずられず、想像力を駆使して作る歌詞なら面白いものになるという。でも、最近のアーティストの書く歌詞というのは、全くそれとはかけ離れているような気がする。

また、絵本などでも見られるように、「言葉遊び」じゃないけど、「言葉の面白さ」を上手く利用するとかね。

ただの日記的なものや感想文的なものは、歌詞としては面白くない(笑)。

詩(poem)と詞(lyrics)は、全く別ジャンルだと私は思っていますが、それを混同する人が意外と多いような気がする?(笑)。

主観的で現実的で具体的なものから離れて、客観的で非現実的で抽象的なものの方がよい作品になるし、人の心を惹きつけやすい。

私はこの辺のことを理解してるかどうかで、凄い作詞家かどうか、あるいは、よい作品かどうか、というのを判断しているというか、感じてます。職業作詞家のみなさんは、よく理解されてますよ(笑)。というか、そういう大御所の方々の歌詞から、私が学んだと言った方が正しいんですが(笑)。

また、機会がありましたら、具体的な歌詞を引いて、この辺につきましては、書いてみたいところですが。


● 「親しみやすさ」からかけ離れたメロディや音楽性

これ、日ごろ、私の趣味的文化的?な生活の中において、非常に強く思っていることですね(笑)。全般的に。ところが、私よりもうんと聡明な(笑)知識人や文化人と自称する人々で、これが分からない人が山ほどいることに、時に、クスクスと笑ったり、唖然としたりしている私です(笑)。

たとえば、気取ったレストランを開業し、「フランスで修業したし、高い技術を駆使してよいものを作ってます」と言ったところで、となりの、定食屋や牛丼屋とかにお客がみんな行ってしまったりする。そのシェフは、どうしてこんなに良いものを作ってるのに、お客は向こうに行ってしまうんだろう・・・と、愚痴をこぼす。

こういうのがあまりにも多いんだ(笑)。これは、例えばですよ、例えば。いろんな方面で言えることです。

あるいは、評論家とかで、法律とか経済とか専門家なんかか知りませんが、専門用語を駆使して、「どうだ、俺の知識はすごいだろ。反論できるか。」みたいな態度に出る輩多いですよね(笑)。しかし、一部の、タコツボ層でそれが認知されても、一般層に広がらないと何の意味もないし、影響力を及ぼさない。

彼の考えを広め、一般的な支持を得ようとしたら、馬鹿で無意味な自尊心(笑)をかなぐり捨て、人々に分かりやすい言葉に言い換え、平身低頭で丁寧に語る必要があり、彼が影響力を及ぼすには、なによりもまず、そのプライドを捨てることが第一歩なのである(笑)。


ということで、世の中は、自称インテリが思ってる以上に庶民が多く、そういう庶民にとっては「気取ったもの」というものを「一番」嫌悪するものなのだ。私としては、これが分からない人々のことを指して、「世間知らず」と呼んでます(笑)。

もし、商業的に成功したい場合は、全体で最も多い庶民層の心を掴まないといけない。そのためには、「気取っている」面を、全てかなぐり捨てる必要があるのだ(笑)。これに気づかない、自称インテリのなんと多いことか。

もちろん、これが分かっているインテリは成功していることでしょう(笑)。

・・・・・。

長々と脱線してきたように見えますが、そうではなく(笑)、音楽でも同じことなんですよね。

日本の歌謡界・音楽界において、熱かった時代。つまり、70~80年代、あるいは、90年代前半などにおいては、「親しみやすいメロディや音楽性」が主流でしたから、秋元先生も仰ってたように、ふとラジオから聞こえてくるメロディを、つい口ずさんでしまうという時代であった。そんな曲が山ほどありましたね。そこには気取りはほとんど感じられませんでした。だから庶民にも届いた。老若男女に支持され、愛され、ヒットした。

一方、最近の音楽事情においてはどうか。むしろ逆ですね(笑)。R&Bやヒップポップやダンスミュージックもいいですよ。私もモノによっては好きですし(笑)。ただし、そういう気取った音楽を、一生懸命売ろうとしても、庶民に届かない限り、おのずと限界があるでしょうね。口ずさもうということになりませんもん。

売れる決め手は「親しみやすさ」である。全てが全てじゃないですが。

それが分かってるのか分かってないのか、その摂理(笑)に反逆して、タコツボ路線を走り、「どうしてこのクオリティが分からないのだろうか」と、一般庶民を愚民視し(共産党的な・笑)、「親しみやすい路線」を、上から目線で馬鹿にする態度に出る。

これが音楽を理解してる輩と言えるでしょうか(笑)。


● 洋楽をマネするも、「背伸び感」で人の目を逸らさせる自惚れアーティスト

日本人が欧米アーティストのマネしても全く似合わない。この「背伸び感」を一瞬でも感じたら、その瞬間、引いてしまう(笑)。

もちろん、自分の背丈を認識して、謙虚に、それを自分流にアレンジし、日本人に親しみやすい路線に変換する場合は別だと思いますけどね。

そんな、等身大の素敵なアーティストさんもいらっしゃるとは思いますが、往々にして、自分があまりにもその憧れのアーティストに心酔して、「自分らも彼らのようになれる」との錯覚を起こし(笑)、「背伸び感」を垂れ流し、人々が目を逸らしたい感じで見つめていることに気づかないでいるアーティスト(笑)。


そういえば、韓流アイドルなんて見ても、ものによってはつい興味を持ってしまう、よい楽曲もありますが、ただ、その「ユニットのスタイル」とか見ても、どう見ても、ジャニーズやハロプロのそれを踏襲してるようにしか見えないという(笑)。

なのに、あたかも、「自分たち流のアイドルの形」と錯覚するも、日本人には、「ああ、マネしてるのね」と見透かされてしまうという、その「痛さ」がありますが(笑)、実は日本人アーティストも多々、この過ちを犯していると思ったりもする(笑)。


私はかつては自分の時間をほぼそれに費やすほどのヘビメタオタクでしたが(笑)、アメリカやイギリスの伝説のビッグバンドとかをずっと見てまいりましたから、日本のバンドとか見ても、どう見ても二番煎じしか見えないことが多かった。だから、あまり寄りつかなかったし、なんか痛々しい感じがしていた(笑)。

もちろん、音楽をはじめ、文化というものは、「マネ」から始まり、それを自分なりに発展的に昇華していく過程そのものですから、別に、憧れる路線を踏襲するのはいいにしても、どうも、憧れの当該本家ビッグバンド等のスタイルというのをそのまんま行こうとしてしまう。

しかし、それは、日本人には似合わないものなので、日本流にアレンジしない限り痛々しいものになってしまうだけなのだが、なかなかそうはならないことも多い(笑)。


R&Bなんてのも、やはり同様で、あれは、欧米の音楽ですよ(笑)。そのままのスタイルで行こうとして無理がある。↑でも触れましたが、例えばアメリカのR&Bの大物アーティストというのは、まさに、その人生・生き方が前面出るような、こちらが熱くなるような感じですよね。気取ってるというよりは、生き方、あるいは、そのアーティストのあり方がカッコイイだけである。

あれはあれで「等身大」なのである。だから、自然に入ってくる。

そもそも、ブルースやロックンロール、ジャズ、あるいは、R&Bやヒップポップ、全般的なダンスミュージック、どれもが、欧米のものであり、彼らにはちゃんと「根っこ」があるわけですからね。別に背伸びしなくても、そのまんまでも、常に自然体なのである。だから、かっこいい。

レゲエでも、ともあれ、ジャマイカの人が歌うと、どんなものでもレゲエ的に見えるでしょ?(笑)。

もし、日本がそれらの音楽を取り入れるとしたら、日本人の等身大な形にアレンジして、変換しないと、「背丈相応」に見えないのである。しかし、往々にして、自分たちがあたかも欧米人になれるかのような錯覚を起こし、変換なしに、そのままのスタイルで行こうとするから、つい「背伸び感」が目立ってしまい、つい、目を背けたくなるのだ。

具体的なアーティスト名とかは出しませんけどね(笑)。


まず、日本で支持を広げるには、「背伸び感」をかなぐり捨てる必要があるでしょうねぇ。日本はそういう国なんです(^-^v(笑)。そんな国柄がむしろ、欧米人は日本の魅力として映るはずなのだ。日本は日本のままで、日本人らしくいるのが吉である。欧米人になろうとしてはいけない(笑)。


● これらの否定的要素をまるっきりひっくり返すと、AKB48やジャニーズ、アニソンなどの、歌謡曲・J-POP路線が、日本において支持されやすい理由が導かれてくると思います(笑)。