生きた化石「シーラカンス」は、魚と動物の中間。
私が住んでいる地区にある国立遺伝学研究所は、春の桜が有名ですが、世界に冠たるわが国唯一の研究機関です。
その遺伝研がこの度、魚類が水中から陸上へと進化する過程を解明するために重要な鍵を握るシーラカンスのゲノム解読に成功したことは、大きな意義がありますので、12/28付の伊豆日日新聞からご紹介します。
生きた化石として知られるシーラカンスの全ゲノム解読に、国内で初めて国立遺伝学研究所(三島市谷田、小原雄治所長)などでつくる研究チームが成功した。今回のゲノム解析は、シーラカンスがまさに魚類と四足動物の中間的な特徴を待つ「ミッシングリンク」(未発見の中間型化石)であることをゲノムレベルで裏付けた貴重な研究結果。関係者は進化の過程における重要な鍵を握る成果として「水中から陸上への進出メカニズム解明に向けた大きな一歩」と胸を張り、今後のゲノム情報の有効利用に強い期待を寄せている。
シーラカンスの外見は魚類に似ているが、系統的にはむしろ四足動物と近縁で、体の構造を詳細に調べると両者のちょうど中間段階を示すものが多く見受けられる。魚類がいかに陸上進出を達成したのかを明らかにするのに重要な手掛かりを持つ点で、73年前に南アフリカで現生種の存在が確認されて以来、世界の研究者から注目を集めてきたシーラカンスのゲノムの全ぼうが、今研究でようやく明らかにされたことになる。
研究成果について同研究所の藤山秋佐夫教授は「本研究で明らかになった全ゲノム塩基配列を、魚類、両生類、哺乳(ほにゅう)類と比較することで、陸上進出への鍵となった形質の進化を明らかにしたい」と話す。
例えばシーラカンスのヒレ構造は魚類と四足動物の移行段階を示していることから「この形質を詳細に研究することで、祖先グループにおける四肢獲得のメカニズムに関して重要な知見が得られると期待される」としている。具体的には、普通の魚にはないとされるシーラカンスのヒレ関節について、開節を作るときにどういう遺伝子がかかわっているか…などの探究を例に挙げている。(伊豆日日新聞より)