「一流」という言葉で真っ先に思い浮かぶのはイチローです。
彼のプレーや言動を見ていると、センスある者がストイックなまでの鍛錬を積み上げて出来た、正真正銘の「一流」を感じずにはいられません。
そのイチローでもせいぜい打率は3割5分。2割5分だと並のバッターということになります。
打率が2割と3割では、たかが10本に1本の違いですが、評価としては極めて大きな違いとなります。この差はどこから生まれてくるのでしょうか?好打者とは何が優れているのでしょうか?
イチローの領域までとは言わないまでも、好打者と呼ばれる3割バッターの本質は何かを考えてみましょう。
厳密に言えば色々な要素の複合体として好打者は存在しているのでしょうが、最も重要な点は次の2点ではないかと思います。まず、選球眼が良いこと。つまり難しい球を見送り、失投を逃さないという単純なことをきちんと行えること。もう一つは、ど真ん中の打ちやすい球(失投)を着実にヒットにする、つまり比較的簡単なこと/当たり前のことをきちんとものにできること。
これはかなり多くのことに通じると思いますが、決して好打者(良いパフォーマンスを残す人)は「難しいことをうまくやれる人」ではなく、着実にものにできるゾーン(領域)を持ち、その機会が訪れるのを待ち、訪れたら迷わず手を出せる人ということになると思います。
また簡単そうに見えることを着実にものにする能力は、反復練習から得られることが多いように思います。そういう意味では、多くの凡人にも「天才」の領域に踏み込むことはできなくても、「好打者」への可能性は十分に残されていると考えることが出来るのではないでしょうか。