音楽作品の販売促進の一つの方法として、購入することで、特典が得られるチャンスを提供する、というものがある。


特に、アーティスト本人に会うことができる特典などは、アイドルなどのCDの販促の方法として、よく実施されているようだ。


そうした特典のイベントのために、見越される特典の獲得者の人数に合わせて、特典を提供する会場が用意されるわけだが、会場の大きさが、特典を得た人の数に合わないと、問題が生じることが予想される。期待したほど購入者がいなかった場合は、その特典が抽選で得られるものであったとしても、少なくなり、がらんとした会場になってしまうだろう。一方、予測よりも多く売れてしまい、想定外の大人数の特典獲得者が押し寄せるということもありうる。


多くの購入者が予測され、大きな会場が用意できない場合は、特典の授与は抽選で行われることになるだろう。


一定の応募期間を設け、あらかじめ決めておいた当選者数に足る当選者を決めるのが合理的だとは思うのだが、中には、応募総数が分からないうちから抽選が行われるケースもあるようだ。こうした場合、当選確率がどのようにして決められているのか分からないし、場合によっては、応募したタイミングには、もう、当選者は全て確定していた、ということもありそうだ。ただ、そういうことであるとすると、必ず当たりが残っているかのようにしてくじを引かせる、テキ屋のくじのお店みたいなもので、ユーチューバーに炎上させられる可能性もあるのでは?と考えられる。かといって、一定の当選率にした場合、会場が決まっているならば、キャパの関係もあるだろうから、どんどん当選者数が増えていってしまい、捌けなくなってしまう。


そんなことを考えると、いったいどのようにして、抽選の整合性を取っているのだろう?と思う。


何も問題は起こらないよ、と言う向きには、次のような考えがありそうだ。例えば、会場を利用できる時間は限られているのだから、その限られた時間の中に、無理やり当選者を押し込むという方法。極端な例えでは、会う時間が5秒とか(笑)、はがし屋が付いて、どんどん当選者を剥がしていくやり方。こんなのが認められるのは、ハイタッチ会ぐらいのものだろう。握手会なんかで、こんな時間は実現しづらい。すなわち、ハイタッチ会などと称されているイベントは、はなから、こういうことを想定し、不満を持たれないように、次から次へと過剰な当選者を捌くための方便と考えられる。