タイ国鉄スラタニ駅はプンピン地区(district)のタカム区(municipality)に在るのだが、駅の近くにタカム区の観光案内所(tourist information)というのが在る。
行ってみたが、この地区の歴史や考古学的主題にはまったく噛み合わない。実際には、駅の周りに結構白人観光客を見るから、彼らにここからサムイ島やプーケット島への行き方を案内するのが主かも。

スラタニ駅と言っても、実際のスラタニ市はここから15キロほど離れていて、バイクタクシーなら片道200バーツ(約800円)欲しいと言われる。ソンテウ(トラックの荷台を改装した乗り合い交通機関)は無くて、ボロボロの小型バスがスラタニ・鉄道駅かスラタニ・プンピン間の表示でたまに走っている。

普通のタイ人ならスラタニに用が在るとかスラタニに行くとなれば、鉄道ではなく長距離バスでスラタニ市の方に行く。私自身も2019年末は当然スラタニ市内のホテルに泊まった。


このタカム区観光案内所で、地図はないか尋ねると、なかなか洒落たタカム紹介リーフレットが出て来た。田舎町にしてはと言えば失礼になる、レトロなタッチの線画を使った表紙とか、気の利いた仕上がり。惜しむらくはタイ語のみで、最後の地図だけ英語が併記されている。

造りは、区の役所、鉄道と駅、地域の僧院、特産品の記事といった定番のもの。


表紙の表4表1(表紙別紙4pp+本文16pp、中綴じ)

地図、本文16pと表3

駅前の住居と店などの背後は十数メートルの高さの丘で階段が在る。
階段の上から駅舎の屋根とその向こうに川。
丘の上には学校と民家が建っている。

駅前の道を南の方に歩いて道路沿いの建築物が切れたところに、丘の壁面が露出している。ほぼ垂直に立ち上がっていて、赤みを帯びた地盤というか岩というか。

この部分、丘の上の建築物の下の崖、左の階段は、近年、この崖にへばり付くような小屋が有った様子。
気になるのは、この丘の壁面というか崖面というか、数十メートルの高さでほぼ垂直に立ち上がっているのは人工物ではないのか?

駅の裏側を流れるタピ川、ここに船着き場が有ったとしたら、駅前の丘の上の高台には王宮と役所が建っていたかも。

川辺りにスマホ画像自撮り用のタカム(takham)標示

駅の裏側、市場があってその先に町が川沿いに広がっている。

駅の中、線路を渡って、駅の裏側の町と往き来できる。

で、他に何かアトラクションはないのかとグーグルマップを見ていて、温泉が在るのがわかった。
プンピン地区の南、距離は約20キロ、グーグルマップ日本語ではターサトーン温泉としているが、スラタニ県の観光案内サイトではラッタナコーサイ温泉と言う名前。
スラタニ駅のモトサイ(バイクタクシー)と交渉して、往復500バーツで出かけてみた。

南に特徴的な岩山、カオフワクワイ。赤味を帯びた岩壁が垂直に切り立っている。

モトサイで30分ほど。途中からゴムとパームの樹林になって、その間に思ったより広い敷地の温泉施設。ここも『一村一品』運動らしい(タクアパのロマニー温泉は一村一品だった)。

源泉

源泉から引き込んだプール。奥に見えているのも手前のも、42度以上有る。手で触れて、火傷はしないが直ぐ引っ込める熱さ。
因みにスラタニ県の案内サイトでは、湧出70℃、ph7.9としている。無色無臭だった。

こちらも源泉
その前の水溜まりも生ぬるい。

温泉の敷地に転がっている石、鉄分の含有量が大きそう。

ゴムとパームの林間を走ると、ゴム林で、樹液を集める小さな椀が下向きになった林も有る。モトサイのドライバーに、あのゴム林は仕事をしていないのか尋ねると、「あれは朝の6時か7時に樹液を集めた林、夜中に皮を剥いで椀をセットして周って、朝集める。ゴム林の採集は毎日だけど、パーム林は15日に1回」、やはりパームのほうが労働集約型では無い。

戻りは、途中からタピ川の上流に沿った道で、
対岸の小屋は生簀で魚を養殖している。

夕方、スラタニ駅前の丘に上がって、学校の前から北の方角、カオシーヴィチャイと思える丘が前方やや右手の銀行の看板のあたりに見える。

学校の前に二十メートル以上高さの有る立派な木。