プンピンとシーヴィチャイが今の地区名だが、盤盤とシュリヴィジャかも。


タイ国鉄スラタニ駅の北側を流れる川。雨季に入って水草が速い速度で流れて行く。
この部分は正確にはタピ川で、ここから右手に数百メートル下った後、バンドン湾に向かって分流し、現在のスラタニの市街を流れるのがタピ川、左の分流がプンピン川となってカオシーヴィチャイの傍を流れている。
ここから先の河口部はジャングルの低湿地帯になっていて、過去にパッタニー県のヤラン遺跡やロッブリーの国立博物館で見たシャム(タイランド)湾の過去の水位図からして、紀元前後にはこの辺りまで海だったと考えられる。

スラタニ駅に居るモトサイ(バイクタクシー)で、カオシーヴィチャイの現状を見に行った。
途中のプンピン川沿いに在る現代の僧院ワットプンピンタイの川岸。前方が下流、この付近はパーム椰子林。

シーマ(結界石)が切られた堂宇。モトサイのドライバーに聞くと、「古いウボソットで、一般に拝礼する場所。左に見えている大きくて白い堂が今のウボソットだ」と言う。しかしそちらには結界が無いので、ヴィハーン(本堂)じゃないのかと問うと、「いやウボソットだ」、ヴィハーンというものはこの地域には無いらしい。僧があたりに居なかったので確認できず。

カオシーヴィチャイ登り口、前回訪れたのはCovid-19が世界的に拡がる直前の2019年12月。4年半が過ぎた。

前回は無かった説明施設、タイ語と英語の表記。

発掘調査の歴史が示されている。この表示施設は2020年以降に造られたもの。発掘調査は現在も続けられている。

立体模型

丘の麓の東西でも調査が進んでいる。

丘の上の建築物についてはそれぞれに短い解説が付いている。


この画面右側パネルは麓の西側に就いて、予備調査だけで未発掘とのこと。

この丘で出土したヴィシュヌ像、大小有るが5体。

仏教系の遺物も出土している。カオシーヴィチャイ遺構の6号や12号は仏教遺構と見える。
当時の一般的な状況ではヒンドゥーも仏教(義浄は大乗も小乗もヒンドゥーも在ると述べている)も並存しているので、非常に納得できる出土状況。
このパネルで興味深いのは、転法輪や仏塔の形象がパッタニーのヤラン遺跡の出土品と類似しているという指摘。

出土品の例、ビーズはチャイヤのレムポー海岸とタクアパのトゥントゥクで同種のものが有ると言う。祭儀用の水差しは精巧なもの、装飾煉瓦も質が高い。このターコイズブルーの壷はちょっと驚き。8世紀のバスラ製と見ている。