今回の旅程の後半、アナトリア考古学研究所の在るカマン・カレホユックの博物館とビュクリュカレの発掘地点を訪ねるのに、カイセリから移動して、どっかで泊を挟むのが良さそう。

最短ルートはカイセリを西に出てD260をアンカラ方向に進めば良いが、一応カッパドキアまで来ているので、D300でサラッと奇岩地帯をネヴシェヒルまで走って、そこからD765を北上してD260に出ることにした。

今夜の宿を何処にするかだが、ネットのホテルサイトを見ても、カマンの街のホテルは無い。このルートでネットに出てくるホテルは、ギョレメとかの所謂カッパドキア奇岩地帯の観光地ホテル。これは高いし距離もカマンまでは遠い。

カマンの街が在るクルシェヒル県の県都クルシェヒルのホテルがネットに出ている。異様に高い、理由は温泉が在ってリゾートホテル。クルシェヒルに温泉が在るのは判ったので、街まで行ってローカルのホテルを探す手も有る。

1軒ポツンとこのルート上でネットに出ているホテルが在る。町の名はハズベクタシュ(Hacibektas;i点無しsヒゲ)、ネットの写真では5階建ての小綺麗な建物。たぶんルートセールスのセールスマンや定期巡回のメインテナンスチームなどが移動の都合で一泊するのに使う施設か。勿論値段は安い。面白そうなので、このまったく知らない小さな町のホテルにネットで予約を入れた。


カイセリを出て、D300で奇岩地帯の北に在るアワノス(Avanos)を目指す。この町はあの紅い河、クズルウルマク川の畔になる。クズルウルマク川はカイセリの北方で湖(ダム湖)を作って西に流れ、クルシェヒル県の中でまた湖(ダム湖)を作ったあと、北に方向を変えてビュクリュカレ遺跡の横を流れ、アンカラ県の東から東流してチョルムの北から最後にサムスン県で黒海に注いでいる。ある意味、ヒッタイトの勢力圏を囲むように流れているとも。


カッパドキアの奇岩地帯は雨模様。アワノスに向かう手前にキャラバンサライが在った。この地域で観光ルートの定番はアクサライからコンヤに向かう途中のスルタンハニのもので、造りも立派で保存も良い。

ここはサルハンのキャラバンサライと言うらしい。やや小ぶりだが手入れは良い。

このホールで旋回舞踏を見せるらしい。観光用に廃墟だった建物を修復したのか。

それでアワノスの町に着いたら、クズルウルマク川に架かる橋が流されていて橋の付近は通行止め。町の外れの橋は通れるが。町の中心部に近いおっさん茶店でチャイして次に。
アワノスからウチヒサールに向かうギョレメ国立公園の道を走る。

チャウシン村

チャウシン教会、閉まってる

ギョレメの看板

ウチヒサール

奇岩地区の南側を通るD302に出たところで、まだ昼前、県都のネヴシェヒルはこの西だがランチには早いので、イブラヒムパシャの表示が有る道に入ってみる
田舎道になって、小さな村が在って、その奥に道が細くなって、家並みの間に車1台の幅のやや急な下り。

小さな渓谷にちょっと立派な石橋が架かっていて、その脇には洞窟ホテルとかの看板。
この橋を渡っていいものか迷って、狭い急坂を村の中心部に戻って、通りがかりの村人に訊くと、あの石橋を渡ってまた登るのが旧道で、オルタヒサールに抜ける道とのこと。

オルタヒサール村、イブラヒムパシャからの道がオルタヒサールを望むこの位置に至る。ここでチャイをしたら、やはり今通って来たイブラヒムパシャの石橋は名のある建築家のもので、バルカン半島のどこかにも有名な橋が在るとのこと。

まだ昼過ぎなのでもう少しあたりを走る。

ギョレメの有名な洞窟教会のある野外博物館の手前に、Aynali Kiliseと言う看板。道路から数十メートル脇道を進んだ先。なんか個人営業のような雰囲気の遺構。

紅殻だけの装飾だが、教会と修道院が在ったと見られ、

岩を掘り抜いて修道院と、さらにその奥に地下都市にも有る丸い石を転がして通路を塞ぐ仕掛けと居住空間が見られる。

懐中電燈の光が当たっているのが、通路を塞ぐ為の円形の石。

午後2時前にネヴシェヒルに入って、食事をと思ったら、旧市街の人が多い地区に車も多く、駐車スペースが見つからない。雨も降っていて、遠い位置に停めるのは嫌なので、先に進むことに。

D765でクズルウルマク川を渡ったあたり。
ネヴシェヒルから小一時間で、今日のホテルの在るハズベクタシュ村に着いた。
今日の泊まり客はいなさそうなホテルにチェックインすると、受付にいた男が「ホントにこの町に泊まるのか?」と訊く。
まあ、カッパドキアは観光地で高いし、カマンカレホユックに行くのに、クルシェヒルのホテルは温泉リゾートみたいなのしか無く、ネットに出ていたこのホテルにしたと、説明して納得させる。

翌朝、チャイだけでもと一階に降りたら、泊まり客は他に無く、住み込みで管理している彼とガールフレンドの朝食に混ぜてくれた。ホテルの厨房の片隅で、焼き立てのパンに、チーズが数種類、オリーブ、キュウリ、トマト、蜂蜜、香りの野菜、チャイ。