チェンナイから日帰りで、パッラヴァ朝の王都カンチープラムと、海辺のマハーバリプラムを訪れる。

4500ルピーでインド製造(バンガロールに工場)のトヨタの小型車。

朝8時に出発、土曜日は半日労働が標準で街は通勤時間。特に渋滞と言うより、いつでも人と車がいっぱい居る世界で、市外に向かって小一時間走っても町並みが切れない。


道路は国道4号線で、バンガロールを通ってプネー、ムンバイに至る幹線。一部を除いて概ね拡張と近代化工事が進んでいる。

一時間以上走ると、周りに緑が見え始め、いくつか20階ほどの高さの新しいアパート群が建っている。



緑の間には湖水がある。なんとチェンナイの内陸側には多くの湖沼が雨季の天水を保持していて、水田や耕作地はもう少し奥に作られている。

で、チェンナイ郊外の湖沼地帯には、大規模工場が操業している。目を引くのは韓国のヒュンダイ自動車、関連の大型ガラス工場とか塗料メーカーなども在る。

Fordの看板が在ったが、米国系の自動車メーカーは全て撤退したらしい。

その先には、ハイテク狙いの工業団地が在り、元はNokiaが居たところを買った企業がiPhoneの受託生産をしているとも。

この湖沼地帯の水は製造業に適しているし、チェンナイのコンテナポートから2時間以内、道路の状況はインドネシアなどより格段に良い。港の効率と通関体制に依るが、製造業適地に見える。

もうひとつ目につくのが、工場地帯の間に町が在ると、医療系の大学やカレッジのキャンパス、病院などが置かれている。学生はチェンナイの街からバスで通っているらしい。

人の多さに加えて、基本的な英語レベルは高く、チェンナイ市内には教育機関も多いから、非常にポテンシャルの高い土地の印象。

歴史の興味でチェンナイに来たら、思いがけずに現代の産業立地に出逢った。中国を抜くのは結構簡単に見えてしまう。


国道4号線を2時間弱進んで、水田なども現れるあたりで、左に曲がると数分でカンチープラムのエーカンバラナータ寺院のゴープラが見える。



カンチープラムの街にはパッラヴァ朝の遺構は無く、当時からのものは寺院と言うことになるが、後のチョーラ朝やヴィジャヤナガル朝時代に手が加えられていることに注意が必要。

カンチープラムの市内

最初にカーマクシアンマン寺院。女神が崇敬を集めている。

東ゴープラ
中央祠堂内はヒンドゥー教徒しか入れないが、人気寺院は長蛇の列が堂を囲んで繋がることになる。

ここの沐浴池は奇麗に保たれている。(大抵の寺院ではゴミなどが浮いている)

カーマクシ寺院内の一角に追いやられたと言うシヴァ祠堂。

カーマクシアンマン寺院の外に、気になった小振りの寺院が在った。

9世紀の石造寺院としてあって、バラモンが堂の周りにいっぱい集まっていた。

今はシヴァを祀っているが、なんとなく最初は違ったのでは?という感じがする。

次に、カンチープラムで最大の

エーカンバラナータ寺院、現在の建物はヴィジャヤナガル朝時代の16世紀から17世紀のもの。

前室部分が広く、屋根を架けている。
中央祠堂側廊

天井を覆った中心部は重厚な雰囲気が漂う

側廊部分の装飾

側廊部の小祠堂