前回2018年11月以来、5年2ヵ月ぶりにプノンペン国立博物館。

2020年に開館100周年だったが、COVID-19で式典を延期して、昨2023年に祝ったらしい。

展示が少し変わった様子、特に前回ジャヤヴァルマン7世の像が印象に残っていたが、今回は迫力が薄れた感じ。像の位置が変わって、背景が抜けているからか(以前は背後に大きなレリーフ石版が置かれていたと思う)。


ジャヤヴァルマン7世像

展示の順路は初めに青銅品から
ヒンドゥー神像と仏像(観音像が多い)を分けて見せている。時代の古いものはアンコール期以前の扶南(プノムダー)、チェンラ。
中央、両腕を上げているのは7世紀のマイトレーヤ(弥勒)としている。
観音(ローケシュヴァラ、アヴァロキーテシュヴァラ)が多い。
仏教三尊でも少し様子が違う(ヒンドゥーの三尊型を思わせる)

これもマイトレーヤ、10世紀としている

ブロンズ部分の先に、単体で西バライのメボンに在ったヴィシュヌ像、11世紀

ここから碑文のセクション
ゼロの概念が現れているという説明
拓本は19世紀に中国から取り入れたそうな。フランス人はそれまで濡らした紙を数枚押し当て、乾いてから剥がした。白無地で鏡文字の状態で研究したらしい。

コムポンチャム来自、6から7世紀に比定、「シヴァリンガを80歳になる人物が奉納した・・・」と記されているという。
碑文の基本はパッラヴァ文字で、北インド文字は珍しい。

ここから石像セクション。
前回見に来た時の主題のヴィシュヌ像群、これも少し展示が変わったか。
ヴィシュヌ像、プノムダー来自、6世紀
チェンラ期のヴィシュヌ、コムポンチャム来自、7世紀
このあたり動きのある(仏像のパターンにも似た)もの、6世紀のプノムダー様式としている。

ラクシュミ像、アンコール期、西メボン来自、11世紀

ナーガの護る仏陀像、様式はいくつか有る

これが発見時は苔が覆っていて「癩病を患った王」と云われたアンコールトムの癩王のテラスに在ったヤマ(閻魔)像。13から14世紀としている。