1日目はアンコールトムをざっと見たところでリタイアした。

2日目は、朝と言っても普通の9時出発。大まかなルートは、「大回り」コース。俗に「小回り」と呼ぶのが、アンコールワット、アンコールトム、タプロムと周るもので、昨日はタプロムの前で引き上げたもの。

「大回り」はシェムリアップの町を出て、初めは「小回り」と同じルートを、アンコールワット、アンコールトムと抜け、アンコールトムの北門を出た先に在るプリアカーンから始めて、ニャクポアン、タソムと進み、東バライ跡地の東メボン、プレループと周る。


朝のアンコールワットの濠を見ながら北上

アンコールトム南門の手前に、昨日から気になる建物が在ったのでトゥクトゥクを停める。
今走ってきたアンコールワットからの道

西側に建つバクセイチャムクロン。10世紀、ハルシャヴァルマン1世(在位910-944)が父ヤショーヴァルマン1世(在位889-910)に捧げたシヴァ寺院とされる。

地図を見ていると、この左後方(南西方向)にプノムバケンという夕陽の有名な丘と寺院があるのだが、アクセスは少し手前の位置から、山道を登るらしい。プノムバケンは現在のアンコール遺跡地区に最初に遷都し、王都ヤショーダラプラを建築したヤショーヴァルマン1世が都の中心メル山(須弥山)としたと有る。

今回はバクセイチャムクロンに登ってみた。

テラス部分からプノムバケン方向を見るが樹木しか見えない。
バクセイチャムクロンの登頂部祠堂前面から東側の眺め。祠堂は東開口で、南西北の3面は飾扉。
この寺院の階段、登ってみたが、かなりスリル。階段は風化も有り、足を置く幅が充分取れないところも。身体を塔の側に寄せて、ゆっくり足元を確かめ、へばりつくようにして登り降りした。

昔(1978年だったと思う)、観光客も上まで登れたピサの斜塔を思い出した。年に数人は落下して、大怪我か死人も出ると言われた。確かに頂上部の床の大理石は滑り易く、なるべく端まで近寄って地上を見ようとして、うっかり滑ったら助からない。

だから、このアンコール遺跡群も急斜面の建築物が立ち入り禁止になる可能性はかなり有る。アンコールワットの最上部第3回廊のアクセスとか、バプオン寺院(2011年の公開直後に転落事故が有って検証したらしい)とか。

アンコールトムの中、バイヨン寺院の横を走って
アンコールトム北門

数分で、
プリアカーン西参道、こっちは裏側で、正面は東になる。東参道の先には、21世紀になって修復されたプリアカーンバライ(ジャヤタタカ)が水を湛えている。

プリアカーン(聖なる剣)城市の内濠西の橋
城壁飾りはガルーダ

プリアカーン中心部堂宇群西入り口
東西軸に建築が連続し中心線が見通せる

最中央部に、現在はストゥーパが置かれている

二階建ての経蔵

このプリアカーンは元はヤショーバルマン2世の王宮が在ったところに、チャンパの王を打ち破ったジャヤヴァルマン7世が観世音菩薩を安置して千人以上の僧が居住する僧院を建てたもの。