トプカプ宮殿送迎の門の手前に入場券売り場が在り、ここからトプカプ宮殿の中心になる。トプカプ入場料100リラ(約1500円)を払いかけて料金表を良く見ると、5日間有効イスタンブール博物館カード325リラ(約4900円)というのが有る。トプカプの中もハレムはまた別料金を徴収するし、イスタンブールの主要な博物館はこれで入れるので、お得で便利。

 

送迎の門

第二の中庭

 

 送迎の門をくぐって、第二の中庭の左手にハレム。ハレムは昔入ったはずだがそんなに記憶が無い。

 

 実はこのところ、BSで放送していたトルコ制作のTVドラマ『オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~』にハマって、シリーズ3までほぼ毎回見た。オスマン帝国の絶頂期を迎えるスルタンスレイマンの時代、ハレムに売られて来た奴隷の身から正妻に登り詰め後宮を支配した寵姫ヒュッレムが主人公の物語。成り上がる為に嘘も陰謀も殺しもなんでもありの嫌な女なのだが、宮殿のセットや衣装、装飾品まで充分に金を掛けた豪華なドラマに出来上がっている。 ドラマの中心のところはフィクションだが、歴史的事件や時代背景の描写はしっかりしていて、日本語字幕ではあるがヴェネツィア大使やローマ教皇はイタリア語、その他登場人物はそれぞれのシーンで固有言語だし、宮廷に現れるユダヤ人の金貸しはトルコ語だけどちょっと可笑しい感じとか、第一皇子のムスタファが最初に赴任したマニサ県の一般住民はみんなギリシア系の名前をしている。そんなわけで、今回はドラマのセットが本物だっ たのかの興味もあった。

 

 後宮への小さな入り口を入ると、脇の階段を下ったところに衛兵の宿坊、ここに居た連中に賄賂を掴ませて敵対派閥の情報収集とか暗殺をさせたのかと。部屋の風景は、ドラマの側女大部屋の感じ。

 

衛兵宿坊

 

衛兵用のモスクと浴場

水煙草準備室?

 

 階段を戻って、元の地上面の小さな門を入ると宦官宿坊、説明では宦官は主にエジプトから献上される黒人(ヌビア人)であったそうな。ドラマで暗躍する宦官連中は黒人ではない。

 

こっちがハレムの入り口

左手奥の入り口から入った内部

宦官居住区、突き当りの門から先が後宮中心部

 

 側女居住区のあたりは修復中で入れない。通路の先に皇母の間。ドラマの皇母の間は、レイアウトは同じだがひとまわり大きく、寝室が右手に在ったような。この建物では寝室は二階。

 

皇母の間

皇母居住区の浴室

 

 皇母の居住区に浴室があり、その先にスルタンの浴室と居住区。 

 

スルタンの浴室

 

スルタンの部屋16世紀の後半か?

 

 スルタンの部屋は豪華である。タイルの意匠も凝っていて、趣味も良い。

 

 

 

 

 

 スレイマンの後を継いだのは軟弱でアルコール依存症のセリム2世、大宰相が実務を担うようになり、セリム2世の子ムラト3世あたりからスルタ ンは飾り物化していく。とは言え、オスマンの文化は花開いている。

 

スルタンの居室と愛妾のテラス

愛妾のテラスから望むガラタ塔

スルタンの居室の廂にも装飾

 

後宮の女性専用モスク、奥の格子の先に普通のモスクが有り共同礼拝可能

サービス用通路

後宮の厨房

後宮の中庭

ハレム出口

 

 

(4)終わり