8 月 20 日

 

 イスタンブールの朝、08:00過ぎ、ホテル1階で朝食。

列柱がホテル入り口の装飾、奥に見える煉瓦建築がガラタ塔の根元、パン各種どれも美味しい、黒オリーヴと白いチーズも良い。

 

 さて今日の予定はやっぱりアヤソフィアとトプカプ宮殿の定番からと、朝食のテーブルを立とうとする時に、夕立のような雨が降り出した。通り雨だろうと10:00前まで様子を見るが、雨脚は弱まったり強まったり。天気予報では快晴。まあそのうち止むだろうと、地下鉄のシシュハネ駅へ向かう。地図を確認して歩き出すと坂道が多いこの辺りでは、思わぬ落し穴があることを知らされる。二次元の地図では、坂道と高低差が示されないのである。なんとか地下鉄の入り口を見つける。

 

雨に濡れた小道

登って

下って

地下鉄入口

 

 立派な造り、エスカレーターにエレベーターも完備で、かなり深い位置に駅がある。改札階に駅員が居て、マスク着用をチェックしている。自動券売機でイスタンブール交通カードを買うのだが、いまいち仕掛けがわからず駅員に尋ねる。まず低額のカードを買い、カードをスクリーン部分に置いて適当な紙幣を投入するとカードにチャージされる仕掛け。フェリーも含めてほとんどの交通機関はこれで乗れるので重宝。

 

通路

ホーム

 

 ここは地下鉄2号線で、2駅行ったイスタンブール大学駅でトラムに接続している。走り出すと地上に出て金角湾を渡る橋の上に一つ目のハリチ(金角湾)駅、すぐまた地下に入ってイスタンブール大学駅。ここはめちゃ深いらしく、改札階に上がるのは数基並んだエレベーターだけ。地上に出ると、雨はまだ止まない。トラムへの乗り換え駅としてあるが、トラムの走る道まで数百メートル、トルコは広い国だと改めて思い知らされる。地下鉄の駅間距離は長いし、乗換駅と言っても、出口の目の前に次の乗り物があるわけではない。

 

トラム

 

 トラムに乗ってスルタンアフメットまで3駅と近いが、雨脚は衰えない。途中のチェンベルリタシュで降りて、 コンスタンティヌスがコンスタンティノープルを都にした時に建てたとされるモニュメントを眺める。

 

チェンベルリタシュ

 

 ホームの端の出口を出なければトラムに乗り続けられるから、雨が止むまでトラムで市内観光にする。

 

シルケジ駅前から丘の方向

 

 スルタンアフメッ トで降りずに、昔はオリエント急行の終着駅だったシルケジ(旧駅舎は残っているが列車は走っていない、今はボスポラス海峡を水面下(沈埋函工法)で繋いで2013年に完成したマルマライ線の地下駅が有る)、多くのフェリー路線が発着するエミノニュの埠頭、ガラタ橋を渡るとカラキョイ(ここからガラタ塔の上方までテュネル有り)、このトラム1号線は更に延伸工事が行われているが、現在はカバタシュ(ここからタクシム広場まで新し いテュネル有り)止まり。折り返して、やっと雨が止んだスルタンアフメットで下車。

 

スルタンアフメットジャーミィ(ブルーモスク)

 

 トラムの駅から東ローマ時代に競馬場(ベンハーに出てくる四頭立て馬車競走)だった広場に向かうところで警察のチェックゲート。この地域一帯が規制地域で、数か所のアクセスポイントで、所持品検査とボディチェッ クが行われている。早速日本語客引きが寄って来て、『入り口こっち』とか言ってくるが無視。 警察部隊はここに駐留しているみたいで、大型バス数台に厨房設備のようなものまで並んでいる。アヤソフィア前の広場にシートが敷かれている。

 

 

 これはムスリムの集団礼拝用。このユスティニアヌスが6世紀に献堂した聖堂は、コンスタンティノープルを落としたメフメト2世によってモスクに変えられたが、トルコ共和国時代に漆喰壁の下からビザンツ時代の素晴らしいモザイク装飾が発見され、それ以来博物館として世界中から観光客を集めてきた。それをこの2020年7月24日に、またモスクに戻してアヤソフィアジャーミィと称し金曜礼拝を行った。現在入場は無料で多くのトルコ人が訪れている。しかし、二階部分へはアクセスできず、あの精緻なモザイクを見ることはできない。

 

アヤソフィアエントランス上部

 

 エントランス上部に有名な、『街を捧げるコンスタンティヌスと聖堂を捧げるユスティニアヌス』のモザイクが在るが前に布が垂れ下がって見えにくい。内部の床には絨毯が敷き詰められてモスク化され、定期的に消毒液の噴霧を行っている。

 

 

 礼拝用のこの床面以外、上階への通路や二階のギャラリーには一切アクセスさせていない。 この、再モスク化について外国人観光客の不満は勿論だが、トルコ国内でも巨大な観光収入を失うことに批判が有る。

 

 ややシラケ気分で、トプカプ宮殿に向かう。アヤソフィアの北側、トプカプ宮殿の壁との小路に伝統家屋風の建物が並ぶのはホテル、トプカプ正門の横、アヤソフィアの敷地の角に当たる位置にスルタン用の立派な門。オスマンの建築は廂の裏の装飾にまで力が入っている。

 

ホテル

スルタンがアヤソフィアに行くとき使う門?

トプカプ宮殿正門皇帝門

 

 ここはセキュリティチェックだけで、第一の中庭に入る。

第一の中庭

 

 中庭左手にアヤイリニ(聖イレーネ=平和)聖堂、コンスタンティヌスが聖ソフィア(知恵)と同時に創建、現存する建物はユスティニアヌスが現在のアヤソフィ アと同時期に再建したもの。オスマン時代はモスクにならず武器庫などとして使われ、今は博物館。以前訪れた時の記憶でも、装飾はなにも残っていないが建物自体がビザンツの雰囲気を色濃く伝えるもの。アヤイリニに入ろうとすると入場料60リラ(約900円)、基本なんにもない建物に入るだけでそれは高い、外観だけで充分。

 

アヤイリニ

 

 

(3)終わり