休日の昼下がりの列車の中はそれなりに混ん

ではいたものの、横坐りの席に何とか座れた

 

腰を下ろして一息ついていると、一人の女性

が乗りこんできて、目の前にスッと立った

 

アースカラーのシックなワンピース姿で、夏

らしい装いだった

 

どこかへ買い物か、それとも遊びに行く途中

なのか

 

ただ、気になったのはストレートのロングヘ

アーを始終かき上げること

 

それに伴い香水の香りがこちらに漂ってくる

 

どことなく上品な甘さの香りで、十分に女性

らしさを演出できているとは思う

 

片手のスマホを見つめつつ無心で行っている

様な仕草だったが、何だか意味があるようで

なさそうで

 

周りを見渡してみると、席は混んでたものの

立っている乗客は数名程度

 

多分出口のドアに近いからたまたまこの場所

に立っているのだろう

 

しかし、目の前に立たれたこちらは気になる

 

それとなく彼女の表情を伺うと、眉間に皺を

寄せて何だか険しい感じ

 

そして髪を書き上げる仕草は一向に衰えない

 

ああ、何かイライラしててその仕草なのかと

ようやく理解したところで目的の駅に着いた

のだった

 

電車を降りぎわにその女性とすれ違いつつ、

きっとこれからいいことがありますよ、との

思いをそっと送りながら、海外だったらこん

な時、

 

Have a nice day!

 

なんてさりげなく言うんだろうな、などと思

った次第