第1期の記念展が国宝の若冲や絵巻、道風の書が展示だったので人気が高く
とうとう予約が取れずじまいで残念な思いをしました。
1月4日からの第2期の記念展は1月18日に参観し、その時はスマホを忘れたので
ブログにあげることが出来ませんでした。
3期が3月12日から始まりましたので、やっとご紹介できます。
まず入口正面に「散手貴徳図衝立」(さんじゅ きとくず ついたて)
舞楽の曲目「散手」(赤の装束)と、「貴徳」(緑の装束)の舞姿を衝立の
両面に描いたもので、京都御所に伝来した作品。
狩野永岳の作品で、江戸時代(19世紀)絹本着色。
「糸桜図簾屏風」(いとざくらず すだれびょうぶ)
狩野常信・江戸時代(17世紀)紙本金地着色
簾をはめた金屏風の両面に、糸桜(枝垂れ桜)を描いた愛らしい作品です。
狩野常信は江戸時代の初期に活躍した絵師で、京都御所の障壁画を三度にわたり
手掛けています。
本作は京都御所の伝来品で、宮中からの注文品と考えられます。
上品な表現に宮中の好みがうかがえます。
筝 銘 圑乱旋(とらでん)
銘の「圑乱旋」は、伝承が途絶えた雅楽の古い曲名です。筝の両端には装飾として
鉄刀木(たがやさん)を貼り、2頭の獅子が牡丹に戯れる様子を貝に彫刻して
象嵌しており、能楽「石橋」の謡「獅子團乱旋の舞楽の砌」との関連も考えられます。京都御所に伝来した品です。
「筝」と「琴」は異なる楽器ですが、「筝」という字が常用漢字でないことから、
訓読みで「こと」と読まれる「琴」の字が一般的に用いられるようになり、13本の
弦を持ち柱(じ)を立てて、筝爪を付けて演奏する「こと」を「琴」と書くことが
定着してしまったと考えられます。
基本的に柱があるのが「筝」ないのが「琴」と覚えておくと良いでしょう、
とお琴の先生のブログにありました。
旧 桂宮家 伝来 源氏物語図屏風
伝 狩野永徳 桃山時代(16~17世紀)紙本金地着色
八条宮智仁親王(1579~1629)を祖とする旧桂宮家に伝来する屏風ですが、
元は親王邸の襖絵だったと考えられます。
上段中央が光源氏、その下が女一宮との説明書がありました。
上段赤い衣装が光源氏、下段白い衣装が紫の上です。
古歌屏風 八条宮智仁親王 桃山時代 紙本金地墨書
金地にゆったりとした書風で「千載和歌集」と「新古今和歌集」から、
右・左隻で変化を持たせ、それぞれ6首ずつ散らし書きされています。
丁度私が入館した時がギャラリートークがおしまいの頃で、この屏風の
説明を学芸員の方がなさっていて、最初の筆の緊張感が最後の方になると
楽になっているのが面白いですねと締めていました。
三寒四温といいながらまだまだ寒いですが、一足早いお花見をさせて頂きました。