ずっと行きたいなと思っていた展覧会なので、月曜開館日の朝にネットで予約して

行って来ました。12:30の申し込みで、12時過ぎに着くと入場券窓口は長蛇の列

です。事前申し込みでよかったと思いましたが、こんなに人気があるとは驚きです。

 

出品目録は51点、前期・後期の展示替えがあるので鑑賞できる作品は40点余りですが、所蔵先は東京国立博物館と東京藝大が多いです。

 

入ってすぐの作品は、狩野芳崖の「悲母観音」明治21年制作。

屏風仕立の東京藝大の所蔵品です。

 

横山大観 「生々流転」 絹本墨画  大正12年 55.3 × 4070.0cm

山間の雲が一粒の滴となり、地に落ちて渓流となり、やがて大河となって、

最後には海へと流れ、竜巻となって天に昇る。画面には木こりや漁師が

小さく描かれ、山里には人家もある。自然や人間の営みを水の一生にたとえ、

確かな水墨画法で光や空気を感じさせる作品。

 

と解説にありましたが、私が感心したのは海に向かって勢いをつけて流れる

川の力強さを、無数の鮎で表現していたことです。

繰り返し繰り返し、同じ大きさの鮎が、目的に向かってひたすら泳ぐ。

 

この40mの巻物をすべて観させて頂きました。今まで部分部分の鑑賞は

あったのですが、全く違う迫力と感動です。

 

大正12年9月1日、上野公園にあった竹の台陳列館で開かれた第10回再興

院展の出品作です。丁度その日関東大震災が起こり、混乱の中無事保護されたと

解説の横の(ひみつプラスアルファ)にありました。 良かった。

 

今村 紫紅 「 近江八景 」 大正8年 紙本着色 

 

安田 靫彦 「 黄瀬川陣 」 昭和15年 紙本彩色

 

概ね写真撮影は大丈夫なのですが、何点か禁止作品があり生々流転が

含まれていたのは残念でした。近代美術館の所蔵なので機会があれば

また観たいです。