なんだかんだと日が過ぎてしまいましたが、
3月22日に行われた、保育園を考える親の会主催、
「親による親のための保育制度勉強会」について、
ご報告です。
あくまで、私自身の主観にもとづいたものです。
ひとりひとりが、自分の言葉で伝えることが、
大切と思っています。

会場がほぼ満席になった、というのは先日書いたとおり。
後ろのほうには赤ちゃん・子どもが遊べるコーナーもありましたが、
お子さんたち、最後まですごーく静かでした。
(遊び相手になってくれてたスタッフのみなさん、お疲れさまでした!)

私は司会・進行を担当しました。
まず最初に、私のごあいさつと、この勉強会を企画した経緯について。
私自身、4月入園で3人の子がひとつの園にはなれなかったことが大きく、
「それでも入れただけでよかったと思わなければならないのか」
「もっと苦労している人たちに申し訳ないと思いながら働くべきなのか」
っていうのが、なんかおかしいんじゃないの!?
と思ったのが、きっかけでした。

そして、パワポを使いながらの普光院さんのお話。
保育制度といっても、トピックは本当にたくさんあって、
とても細かくは説明しきれない、とのことで、
キーワードを「待機児童対策」と「幼保一元化」に絞って、
お話しいただきました。

まさに旬なこの2つのキーワードをざっくり理解するだけでも、
そのためには、過去の保育施策について知る必要もあり、
そのあたりをかいつまみながら、補いながら、
お話しくださる普光院さんは、さすがでした。

普光院さんのお話を聞いて、私が強く思ったのは、
過去の保育施策というのは、規制緩和、弾力的受け入れ、
のみだった、と言って過言じゃないんだな、と。
普光院さんもおっしゃっていましたが、
これまでに小手先の対策ではなく、
抜本的に、本腰入れて、待機児童対策をしてきたら、
ここ数年の爆発的な入所希望者増にも対応できたのでは、と。

普光院さんにお話いただいた後は、
企画者の役得で、私自身が聞いてみたかったことを、
すこしやりとり。

私には、認可園と認可外園の双方の経験があり、
その保育の質の差、子どもたちの詰め込まれ具合の違いから、
「やっぱり最低基準がある認可園じゃなきゃ子どもがかわいそうだ」
と思っていたのですが、
実は、そうではなかったのですね。
普光院さんに聞いてみたところ、
認可外園でも、最低基準は満たされるように指導がされており、
私が経験している公立認可園は、基準を上回っているからこそ、
子どもがのびのび過ごせているということらしいのです。

ということは、逆に言うと、最低基準を緩和する、ということは、
私が「子どもがかわいそう」と思った認可外園の状況よりも、
もっともっと子どもが詰め込まれることになるわけで……。

実際、そこまで子どもを詰め込んでしまうと、
現場でも保育がすごくやりにくくなるとのことで、
現状でも、最低基準ぎりぎりで保育しているところは、
少ないのだそうです。
ですから、これを緩和することが、
どれくらい待機児童対策として有効なのか、わからない。

私自身も聞きたいことがたくさんありましたが、
すこし休憩をはさんで、後半は、参加者のみなさんの質疑応答。

みなさんがいろいろな立場から、いろいろな状況について質問くださって、
ひとつひとつが、本当に有意義でした。
ざっとまとめると、下記のような感じでしたでしょうか。

・派遣社員として働いていたが、育休後、派遣先が確保できず、
上の子の退園勧告を受け、下の子も内定を辞退するように言われた。
点数制度だとどうしても求職中が不利になってしまうが、
この点数制度を廃止することは可能か。

・新しく開所する園に自分の子を預けることになったが、
役所の監査や指導が、どれくらい実行力を持つものなのか不安。

・自分の子が認証園に通っている。
すべてがそうだとは言わないが、一般的に、
認可園に比べて認証園の保育は劣る、
と言えるのではないかと思う。
それが、認証園が増えているということは、
保育全体の質が落ちている、ということにならないか。
認証園の保育の質を上げていくためには、どうしたらよいか。

・幼保一体化に慎重になるべきという意見もあるが、
実際には自治体の対策は多様化している。
幼稚園、保育園を運営している側の意識の差も大きい。
幼稚園のこども園化に、母親たちが立ち上がった例もある。
行政を動かすには、自分たちが動くしかないのではないか。

・自治体や地域の状況、対策が多様化しているのなら、
一般財源化して、地方分権を推し進めたほうが、
それぞれの地域での保育園が充実するのでは、と思うのだが、
実際にそうなっていないのは、なぜなのか。

・認証園になったことで、やりたいことができるようになった、
という園もある。
働き方や保護者によって、就学まで通わせたいと思う認証園もある。
小学校へ上がると、保育園に通わせていた保護者は少数派だと知る。
親には、いろいろな選択肢があるのだということ、
保育園は少数派なんだということを、もっと自覚してもいいのかもしれない。

・群馬から東京へ引っ越してきて、延長保育が利用できず、
いまもNPO法人に送り迎えをしてもらっている。
経済的にも、精神的にも負担が大きい。
区や都に申し立てをしたが、らちがあかない。
どうしたらよいか、おしえてほしい。

……といったところだったでしょうか。
うーん、話し言葉を書き言葉にして伝えるのって難しいなあ。
これをお読みで上記の発言をされた方、
「そんなこと言った覚えはない!」とうことがありましたら、
ぜひコメントまたはメールください。スミマセン(笑)。

勉強会は最後に、保育園を考える親の会について紹介し、
ぜひ仲間になってください、ということもお願いしました。
保育園を考える親の会は、保護者の意見を、
まさに政治に、国に、届けることができる団体だと思っています。
これを読んで、興味もたれた方は、ぜひ、
ホームページ http://www.eqg.org/oyanokai/
をのぞいてみてください。

繰り返しになりますが、参加してくださったみなさん、
ありがとうございました。
「ぜひ継続的に開催してください」との声もいただきました。
また近々、みなさんにお会いできるのを楽しみにしています!