とうとう明日で退園……という日、
クラス通信で「うり子ちゃん元気でね特集号」が配られました。

クラスの皆さんへのごあいさつを兼ねて、
通信に載せる文章を先生にお渡ししていたので、
特集号が配られることは予想していましたが、
なんといってもびっくりしたのは、
そこに、クラス全員のお母さんたちから、
メッセージが寄せられていたことです!

それがまた、“お元気で”とか“無事の出産を”とかの
一言メッセージではなく、
皆さん、本当にうり子の特徴をとらえて、
たくさんのことを書いてくださっていたのです。

まあ、私はびっくりするやら、感動するやら、泣けるやら……。

とうとう最後の日、
朝からもう、泣けるだろうな、泣いちゃうだろうな、
と覚悟しての登園。

さっそくに、仲のよかった(というか私が一方的に好きだった?)
若くてきれいなお母さん二人組と顔を合わせ、
すぐさま、涙……。
でも、最後に会えてよかった、ととりあえずお別れ。
赤ちゃん産まれたら見にきてね、と約束して。

うり子は、なにかを察していたのか、
本当にめずらしく、教室に入るとき、泣きました。
「思い残すことのないように遊んでおいで」
と声をかけると、また泣けてきてしまったので、
そそくさと、園を後にしました。

そして、夕方。
お着替えやらオムツやらシーツやら、
大荷物を持って帰る羽目になったのは仕方ないとして(笑)、
お友達が無邪気に
「うりちゃん、バイバイ。うりちゃんママ、バイバイ」
と手をふってくれるのも胸が痛かったけど、
先生方との別れ、本当につらかった……。

お一人ずつお別れのあいさつをさせていただきました。
主任のT先生と、同年代のY先生は、
むやみに泣いたりせず、温かい言葉をかけてくださり、
それはそれでお心遣いが本当にありがたかったのですが、
まだ若いH先生は、もう話をされる前からぽろぽろ泣いて、
それがこっちにも伝わって、私も号泣状態。

さらには、昨年担任をしていただいた、
年配のK先生まで来てくださって、
「私からはなにも言うことはありません。
 お母さん、元気な子を産んでね。
 うりちゃん、いいお姉ちゃんになってね。」
と言って、私たち2人をぎゅーっと抱きしめてくれたのです。

保育園の先生って、なんて優しいんだろう。
なんて愛情深いんだろう。
なんて温かいんだろう。

本当に悲しんでいたらキリがありませんでしたが、
思い切って、重いリュックをかついで、
うり子を抱っこして、
階段を下り、玄関を出ました。

うさぎやカエルの絵が描いてある壁の前で、
うり子に「また遊びにこようね」と約束しました。
保育園は、いつでも私たちを受け入れてくれるはずだからね。

こうして、
うり子の保育園生活は、
第一幕を閉じました。