とまあ、いろいろいろいろ考えての決断でしたが、
もちろん“感情”の面でも、
かなり寂しいものがありました。

うり子だけでなく、私もこの園のことが大好きでした。
うり坊の園と同じ区立認可園で、
保育内容等にはほとんど変わりがなくても、
やはり先生方やお母さんたちの雰囲気によって、
微妙な違いがあります。
うり子の園は、本当に先生方も熱心で、
お母さん方も親しみやすく、
お仲間でなくなってしまうのは、
とても残念でした。

私にとって退園が寂しいものであることは
ある程度覚悟していたのですが……。

先月半ば、言い出しにくかったのですが、
担任の先生に朝、
「実は、今月いっぱいで退園することに……」
と切り出したところ、同年代のY先生は、
「ええーっ!?」
と悲鳴のような声を上げた後、
すでに目をうるませて、
「ウソでしょう? お母さん、やめてください。
 うりちゃん、こんなにかわいいのに……
 イヤです、そんなの。
 そんな……胸が痛いです」
と、文字で読むと、なんだか駄々っ子みたいですが、
こちらがびっくりするくらい、
うり子の退園にショックを受けてくださって、
それほどまでにうり子がかわいがってもらっていたこと、
愛されていたことに、私は目が覚める思いでした。

夕方、お迎えに行ったときには主任のT先生がいて、
“じろっ”とにらまれ、
「お母さん。聞きました。
 私たち、お昼はずっと泣いてました。
 うりちゃん、なんでやめちゃうんですか」
……と、もちろん半分冗談ですが、
責められてしまいました。

しかし、そんな一連のショックが過ぎると、
翌日からは、
「でも、お母さん、いい選択をされたと思います。
 うりちゃんにとっても幸せだと思います。
 なんといっても、私たちといるよりも、
 お母さんのことが大好きなんだもの」
と言ってくださり、それに応えて、
「いえ、退園するからには、
 先生方に負けない愛情を注がなきゃ、
 って思ってるんです」
と言うと、私のほうが、また涙……(笑)。

そんなこんなで、退園の日が近づいてきました。