本当にオッサンになったなぁ、としみじみ・・・。



風邪はひくようになっちゃったし、鼻は垂れるし、よだれも垂れるし、買い物してもお金払って品物もらうの忘れたり・・・。



精神年齢だけは17歳のままのつもりなのに・・・。




ガンプラをつくってる時にシンナーの匂いを「いい匂いだな」と思ったり、ドラクエ2を徹夜でやった日々が昨日のことのようです。




子供の頃、


「どうして大人って(学校の先生とか)、松田聖子とか松本伊代とか中森明菜の区別がつかないんだろう。

 名前すら知らない大人も多いし。」


って思ってましたけど、




今、私はほとんどのアイドルを知らないし、区別もつきませんもんねー。



みんな、同じ顔に見えるし・・・。

((゚o゚;) ハッ↑これは、かつて大人達が言ってたな・・・)




それと、




子供の頃は、


「大人って、言葉が正確じゃないな」


って思ってましたけどね。



大人は、ひとくくりで「ウルトラマン」とか言ってたのに、


子供心に「それはウルトラマンじゃなくてウルトラマンアトラスだから」とか。



、、、と思ったら自分もオッサンになるとそうでした。






先日、お客さんが送ってくれた書類に貼られていた付箋(ふせん)が「マイメロディ」の付箋でした。






そのお客さんが電話をくれて、



「先日、郵送した書類、見れました?」



とおっしゃるので、



「あ~、あのキティちゃんの付箋がついてるやつですよね」



と話したら



「いえ、マイメロディです m9(`・ω・´) ビシッィッッイ!!」



とのご指摘を受けました。(゚o゚;) ハッ



(自分の脳内では「マイメロディ」の名前が思い出せずに「まぁいいや」程度でつい「キティちゃん」と言ってしまいました。

 だって思い出せなかったんだもん・・・。)






こうやって、どんどん老化していくんですねー。



自分が子供の頃に思ってた「大人って、言葉が正確じゃないな」になっていくんですかね。




そういえば、イスラム過激派のリーダーらしき人物がキティちゃんノート使ってたなー。






http://blog.livedoor.jp/corez18c24-mili777/archives/38978628.html

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さて、話は変わりまして。。。




法人税は「単年度課税」が原則です(法人税法第22条)。



つまり、その年だけで課税所得を計算するのが原則なのです。



ですから、前の期が赤字でも関係ありません。



法人税法22条第1項に



「内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。」



と書いてあることからも明確です。


税法上の”当該”は”その”と読み替えると分かりやすいと思います。





言い換えると、



「内国法人の各事業年度の所得の金額は、その事業年度の益金の額からその事業年度の損金の額を控除した金額とする。」


となりますよね。読んだ通りです。




ですから、ある年で欠損金(赤字)が生じても原則として翌年には繰り越せません。



これが原則です。






しかし、例外があります。



同じく第22条の第3項に「別段の定め」があればそれを損金に算入してよい、とあり、


また、


「別段の定め」の一つとして法人税法第57条が規定されています。



法人税法第57条は青色申告法人に認められる「青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し 」の特例です。




青色申告を行っている法人は特例的に欠損金の繰越が認められているのです(法人税法第57条)。



ですから、例えば、当期は赤字でも、白色申告法人ならその赤字は切捨てですが、青色申告法人なら当期の赤字を翌期に繰り越せるのです。




ちなみに、青色欠損金の寿命(有効期限)は、以前は5年だったのですが、その後7年になり、さらに9年(平成20年4月1日以後終了事業年度分から適用)になり、今後は10年(平成29年4月1日以後開始事業年度分から適用)、と改正されています。



時代を感じますなー。 私が会計事務所に入社したころは5年でした。






青色欠損金を有している会社さんは、自分の会社の欠損金がいくらくらいあるか、そして青色欠損金の寿命(有効期限)を確認しましょう。





繰越欠損金の残高は、法人税申告書の別表1(1)の「30」欄に記載されています。


https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/itiran2015/pdf01/01_01_ao_j.pdf

ここを見れば、「おっ、ウチの会社、まだ税務上の欠損金が○○万円あるじゃん」と分かります。(金額が「ゼロ」なら税務欠損金は無い、ということです。)





そして、欠損金の発生年度別の内訳(いつの年に発生したか)は、法人税の申告書の



別表7(1)   欠損金又は災害損失金の損金算入に関する明細書




https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/itiran2015/pdf01/07_01.pdf






に記載されています。












ちなみに10年繰越できるのは青色申告法人です。



青色申告の個人事業者の場合、3年ですのでご注意ください(所得税法70条)。





個人の青色申告制度

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2070.htm

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ちょっとだけ話が逸れます。



一口に「欠損金」と言っても、人によって、あるいは場面によって異なる場合があります。


例えば、


ある人は「欠損金いくら?」と聞いた時に「会計上の累計損失」、つまり「帳簿上の未処理損失」という意味で聞いてくる人もいます。



ある人は「欠損金いくら?」と聞いた時に「税務上の繰越欠損金」を聞いてくる場合もあるのです。



ですから聞かれた時は「会計上のですか?税務上のですか?」と聞き返すか、「会計上は○○○円で、税務上は○○○円です」と回答することになると思います。




「会計上の未処理損失」と「税務上の繰越欠損金」は下記のような要素により金額が異なります。


① 会計上の「損益」と税務上の「課税所得」の概念が違うこと


   例えば、役員賞与は会計上の費用ですが税務上は損金不算入 です。

   例えば、「収用があった場合の特別控除 」は、会計上何も認識しませんが、税務上は損金です。

   このように数多くの要素で会計上の「損益」と税務上の「課税所得」は異なるのです。




② 会計上の「未処理損益」と税務上の「繰越欠損金」の集計期間が違うこと


   会計上の貸借対照表上の「未処理損益」はその会社の設立以来の損益の累計ですが、税務上は上記に書いたように「有効期限」(発生年度によって、5、7、9、10年)があります。


   したがって、残高が異なるのは当然のことなのです。

   

   「会計上の未処理損失残高」>「税務上の繰越欠損金残高」となることも、また、その逆も普通にあります。





話を戻します。




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なお、法人でも個人でも青色申告であれば、欠損金の繰戻しによる還付制度があるので、知っておくと良いでしょう。

(意外と知らない人が多いのです。税務署も納税者から聞かない限り教えてはくれません。)



例えば、



去年 黒字   600万円 (法人税90万円を納付)


今年 赤字 ▲600万円



の場合に、去年の法人税90万円を「返してよ」と主張できるのです。




なお、この還付制度は、法人の場合、中小企業のみ認められます。


(バブルが弾ける前は大企業もできたのですが、バブルが弾けてから法人税の繰戻還付制度が凍結されました。その後、中小企業だけ解放されたのです。)




【法人税】

No.5763 欠損金の繰戻しによる還付

https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5763.htm

欠損金の繰戻しによる還付の請求

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_38.htm


【所得税】

個人所得税の青色申告

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2070.htm
純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求手続
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/23200002.htm






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なお、青色申告の承認が取り消されることになると、この繰越欠損金も無効になります。



「お宅の会社、青色申告取り消すから。」って処分が下ると、数千万円、数億円の欠損金があっても吹っ飛びます。



これは大きな欠損金を有している会社にとっては結構大きなダメージになります。



その分、「将来の節税財源」が無くなるのですから。




つまり、青色申告が取り消されると、欠損金の繰越規定は使えなくなり、冒頭に書いた通り、法人税の原則である「単年度課税」に戻るのです。



ご注意ください。



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青色申告が取り消される事例でありがちなのは・・・。



「法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)」

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/000703-3/01.htm

における、


「2事業年度連続して期限内に申告書の提出がない場合」



「帳簿書類を提示しない場合」


などです。




「税務署長の指示に従わない場合」



「隠ぺい、仮装等の場合」



なども該当します。



税務調査などで帳簿の不提示を続けると、青色申告の取り消しを食らうのです。



気を付けてくださいね。



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なお、私が、中小企業さんにも申告期限の延長を奨めているのは、


「2事業年度連続して期限内に申告書の提出がない場合」


に該当してしまう可能性を少しでも引き下げるためです。


中小企業の場合、人材が限られているので、社長や経理担当者さんの急病や事故などで申告が遅れてしまいそうな場面がありますからね。



(関連記事)

[法人税] 中小企業でも申告期限の延長はできます 2013年09月12日 [法人税] 電子申告データ送信を忘れて青色申告取消!? 2014年10月20日

[法人税] 定款の株主総会開催時期は「○か月以内」にしておくと良い? 2015年04月25日




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また、「帳簿不提示」が理由で青色申告の取り消しを受けた事例もあります。(下記ご参照ください)




納税者が「納得いかない」と、裁判で訴えてもほとんどが納税者側が敗けています。



税務調査の際の対応は十分気を付けてくださいね。






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下記に、実際にあった帳簿不提示による青色申告の取り消し事例を挙げます。ご興味のある方のみお読みください。



特に初めの方に挙げた「レコーダーを作動させることに固執し帳簿書類を提示しなかったこと」については実務上の参考になるはずです。ブログには書けませんが、他の対処の仕方があった、とある弁護士さんはおっしゃっていました。




(青色申告の承認の取消し) レコーダーを作動させることに固執し帳簿書類を提示しなかったことは青色申告の承認の取消事由に該当するとした事例


  請求人は、調査担当職員の求めに応じて帳簿書類を提示したのであるから、青色申告の承認の取消処分は違法である旨主張する。


  しかしながら、請求人が主張する帳簿書類の提示は代理人である税理士がレコーダーを作動又は作動させる準備がされた状況下でのことであるところ、本件調査においてレコーダーによる会話の録音が必要であったとは認められず、調査担当職員が当該録音され得る状態での帳簿書類の検査を実施しなかった措置は相当である。


  そして、調査担当職員が、当該税理士に対してレコーダーによる会話の録音がない状態で帳簿書類を提示するよう求めたにも関わらず、当該税理士は、レコーダーを作動させることに固執し帳簿書類を提示せず、また、請求人も、当該税理士に任せているとして帳簿書類を提示しなかったのであるから、請求人は、正当な理由がないまま帳簿書類を提示しなかったことになるのであり、このことは、所得税法第150条《青色申告の承認の取消し》第1項第1号に規定する青色申告の承認の取消事由に該当する。


  (平24. 6. 1 福裁(所・諸)平23-23)





(青色申告承認の取消し) 帳簿書類の不提出が青色申告承認取消事由に該当するとした事例(棄却)


(昭和59年4月1日~昭和60年3月31日事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分・昭62-06-03裁決)




〔裁決の要旨〕
  青色申告法人は、帳簿書類の備付け等の義務を負うのはもちろんのこと、これと不即不離の関係にある帳簿書類を提示する義務を負つていると解するのが相当であり、たとえ、帳簿書類の備付け等を適正に行つていたとしても、担当職員の帳簿書類の提示の求めに応じない場合には、その帳簿書類が当時どのような状態にあつたかにかかわりなく帳簿書類等の備付け等を法令の規定に従つて行つていないと評価すべきであるから、法人税法第127条第1項第1号に規定する青色申告の承認の取消事由に該当する。


 裁決年月日 S62-06-03

 裁決事例集 J33-3-07


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(青色申告の承認の取消し)

第百二十七条  第百二十一条第一項(青色申告)の承認を受けた内国法人につき次の各号のいずれかに該当する事実がある場合には、納税地の所轄税務署長は、当該各号に定める事業年度まで遡つて、その承認を取り消すことができる。この場合において、その取消しがあつたときは、当該事業年度開始の日以後その内国法人が提出したその承認に係る青色申告書(納付すべき義務が同日前に成立した法人税に係るものを除く。)は、青色申告書以外の申告書とみなす。
一  その事業年度に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が前条第一項に規定する財務省令で定めるところに従つて行われていないこと 当該事業年度

二  その事業年度に係る帳簿書類について前条第二項の規定による税務署長の指示に従わなかつたこと 当該事業年度

三  その事業年度に係る帳簿書類に取引の全部又は一部を隠蔽し又は仮装して記載し又は記録し、その他その記載又は記録をした事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由があること 当該事業年度

四  第七十四条第一項(確定申告)の規定による申告書をその提出期限までに提出しなかつたこと 当該申告書に係る事業年度

2  第百二十一条第一項の承認を受けた内国法人につき、第四条の五第一項(連結納税の承認の取消し)の規定により第四条の二(連結納税義務者)の承認が取り消された場合には、納税地の所轄税務署長は、その取り消された日の前日(当該前日が連結事業年度終了の日である場合には、その取り消された日)の属する事業年度まで遡つて、第百二十一条第一項の承認を取り消すものとする。

3  第一項後段の規定は、前項の場合について準用する。

4  税務署長は、第一項又は第二項の規定による取消しの処分をする場合には、第一項又は第二項の内国法人に対し、書面によりその旨を通知する。この場合において、その書面には、その取消しの処分の基因となつた事実が第一項各号又は第二項のいずれに該当するかを付記しなければならない。







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今回の記事は青色申告で繰越欠損金が吹き飛び去ることなどを書きました。他にも「適格組織再編」で繰越欠損金が吹き飛び去るケースもありますのでご注意ください。そちらについては、下記の記事をご参照くださいませ。


これらも実務上、万が一、見落とすと我々税理士も顔が真っ青、頭が真っ白になるようなものですからね。


(なので、ケースによっては、「適格組織再編」よりも「非適格」の方が安全だったりします。)


[法人税] 適格組織再編成ほど怖い「欠損金」「含み損」の使用制限

2015年06月12日

補足 [法人税] 適格組織再編成ほど怖い「欠損金」「含み損」の使用制限 2015年06月13日

[法人税] ご質問 「欠損金が引き継げる適格合併に該当するか?」

2015年06月18日