アリさんと、おにぎり君(前編) | 本間ひとしのダジャレーヌーボー Powered by Ameba

アリさんと、おにぎり君(前編)

こんな暑い最中、引越しをする人がいるらしい・・・オレだ。 


もともと引越しにはこだわりがあり、世田谷の○○○大蔵が大好きで、同じ町内をこの12年で6回引越した。 


今住んでるところはとても気に入っていて、今までで一番長く住んでいる ・・・ 


ところが、同じ番地の敷地内にある、真向かいの物件に空きが出たとたん、又引越しの虫がじわじわにょろにょろ動き出した。


真向かいの建物も大家さんは一緒、コレが又いい人で、畑で採れたキューリやナスを届けてくれたり、庭の雑草の草むしり

から、建物のお掃除、セキュリティーまで、一言で言うと、「心づくしのおもてなし管理」という感じかなぁ・・・ 


「真向かいの物件に移りたいと」申し出たら二つ返事で快諾、それから引越しの日まで、約ひと月、大家さんは、ほとんど毎日のように部屋に通い、窓を開け、風を通し、掃除をして、備品の点検、交換をしながら、


最高のコンディションで、オレ達を迎え入れてくれる事になった。   


引越しっていったって、私道を挟んで5メートルの真向かいだ、5秒で着く・・・


しかも早くから準備をしていたので、荷物をほうり投げりゃーすぐ終わっちまうよなんて笑っていたが、それでも一応、業者には頼んだ。


当日の朝、アリさん 三匹、いや、三人、ぞろぞろと激暑の中、さわやかな顔でやってきた! 


「おはようございます!よろしくお願いします!」 (それにしてもトラックはいらないと思うんだが・・・)

 

さぁー、戦闘開始だ!アレッ、一番うしろに一人だけ、銭湯帰りみたいな、和んだ顔が見えた・・・  

 

そうだ!手伝いをお願いした、おにぎり君だった・・・


なんとなくアリさん紛れ込んで登場したもんだから、一瞬、解らなかったが、アリさんとのテンションの違いはあきらかだった・・・「おぅほっ、おっほようございます」 

 

オレは断然、やるきが出た!だってアリさんとおにぎり君なんだもん・・・5秒で目の前の新居に着くと、

一つだけ誤算があった。 

 

西側にある、大きな二つの出窓に、グワングワン西日が差し込み、たまらない・・・日よけ対策のよしずを買うのを、忘れてた。


早速、カミさん隊長の号令で、 オレはよしずを買いに、息子(中2)、おにぎり君と三人で、成城のホームセンターへ、チャリを飛ばす・・・ 

 

この間見つけた急な坂道の、超近道で・・・最近は健康維持の為、めったに車は使わない事にしている。


ホームセンターで、オレがよしず用のジョイントを買って、レジに行くと、手分けしたよしず組の、おにぎり君が、びっくりするほどデカイ、電柱みたいなよしずをハホハホしながら縦に抱いて持ってきた。 


「なんだこれ~」一瞬目を疑った・・・オレの測った、縦2メートル40センチ、横180センチは予想外にデカかった。  

 

レジの人が聞いた「自転車でお越しなんですか・・・?」

 

オレ達三人は無言のまま、等間隔で右手によしずを抱え、レジの前で途方に暮れていた・・・

 

                                              つづく


     そこで今日の「ひとし」ぼり



     アリとおにぎりすでした。