回想Ⅰ | 人間ですよー。

回想Ⅰ

物心ついたときから


俺は、聞き分けの良い子供だった。




常に自分の立場をわきまえて行動していた。







心の中ではかなり冷静で、客観的にものを考えていたのを憶えている。




自分が『社会的』に子供だと理解していた。







親の前では聞き分けのいい『子供』を演じていた。














泣くのが嫌だった。






泣くことはあったけど、



大半は『悔し涙』のようなものだったと思う。





泣いた時は決まって




自分に腹が立った。




情けなく思った。






転んで傷や痣を作っても


注射をしても





痛くても





泣きたいと思わなかった。






親や、兄弟、友達の前ではできるだけ普通に振る舞った。








独りきりになると




決まって思考が停止した。




無だった。









半分は『死んで』いたのかもしれない。






自分が何者であるか



わかっているような



わかりたくないような











ただ毎日を





ただただ生きていた。







誰にもバレないように







『いい子』という殻に閉じこもって



自分を保っていた。