12月の風
肌の熱をうばい
芯からあたたまらないエアコンの風
ファンヒーターの熱は皮膚も心もカラカラに渇かしてしまう
どこかにしっとりと心を温める友はいないものかと探していた
ストーヴのじんわりした焔が少しはみだしている
不器用なストーヴの優しさが好きだ
それを知ってからたくさんの-
誰かの優しさを知った
いつも不器用なものはあたたかい
もうマッチ売りの少女のように飢えなくてよい
冬は寒いものだとあきらめなくてよいのだ
芯まで冷えたら誰かにほほえみかけよう
それから家に帰って薪をくべよう
冬は心を温める季節だ
誰かの優しさにふれる
ほんとうはあたたかい季節なのだと