気温が20度をこえ、いよいよ春らしい陽気になってきた夕方に外を散歩した。月はまだ空になくて、もうすぐ暗闇になる。
芽吹きの季節は苦手だ。
インドのアーユルヴェーダのドーシャ理論によれば、春はカパ(水の質)の季節。花粉症で鼻水が出たり、身体が冷えたり、手足がなぜか汗をかいたりする。こんな時は身体をあたため、お白湯を飲み、規則正しい生活をすることだ。
私自身の中にある悲しみもおそらくカパなのであろう。雪解け水のように少しずつ解けていく季節なのかもしれない。
はじめて両親に口に出した思い。自分の意思を不器用なりに伝えようとしている。また景色が少し鮮やかになった。ぼんやりとしていた月がくっきり見えるように。
現実と幻想の境目がずっとわからなかった。本当は私自身の中にあって、私は月を見ながらいつの間にか幻想の世界に入ってしまった。ほのかに照らす月光に誘われて自分自身を忘れてしまったのである。
もう一度、幻想ではない月を眺めよう。また、皆で餅をつくウサギを見れるかな。春先の夜は何故か心がはやる。
ARATAさんの企画、#こぼれる月光に散文で参加させていただきました。初参加です。ありがとうございます^^