何もない冬






何もない沈黙が
君との絆を強くしました
無言でいることは
ほんとうを晒すための方便でした


冬は貧しいので嫌いでした
私のすべてをうばいますから
何もない冬がこれ以上何をうばうのでしょう


貧しい私は幸いでした
何もないのがいいのだと知った冬
すべてを与えることを知った冬



愛を知ったときに
はじめて春が来るのかもしれません