
厳しい雪が吹雪く或る日
父さんが僕にfour winds hatをかぶせてくれた
風の声を頼りに歩くんだ
four windsは東西南北の風を指す
四つの角のヘンテコなとんがり帽だ
僕は時々分からなくなる
どの方角が正しいのか
それが命を落とす選択になるとも
ここフィンランドでは真っ白な道無き道を
風を感じ風を頼りに歩いてゆく
とんがり帽をお守りにして
或る日父さんがトナカイの美味いスープを作ってくれた
窓の外にはNorthern Lights
父さんは教えてくれた
困ったときはNorthern Lightsが教えてくれる
道は風が指し示してくれると
今日も僕は道を行く
白い吐息は生きている証
でも僕はひとりじゃない
空から光が見守り地の風が僕らを包む
この地に息づく生命すべてが僕の家族さ
今はもう父さんはいない
閉ざされた雪と共に思い出をしまった
僕は僕の道を行く
たとえ命を落とそうとも
果て無きこの地で
Northern Lightsと凍てつく雪の祝福と共に
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